ステップA10. ハンダ付け作業

 《1》 用意するもの
 下の写真右から、ハンダゴテ、液体フラックス、フラックス用筆、ペーストフラックス、ハンダ(棒)、 ピンセットです。
 ハンダゴテは、ニクロム線タイプですと、100Wと80Wが普通です。 初心者も最初から100W(写真)を使っても大丈夫だと思います。 最近はセラミックヒーターのコテが多く出回っていますが、この場合、ワット数が小さくても温度が早く高くなるので、 「ニクロム線100W相当品」などの記述を参考に購入してください。
 フラックスは液体とペーストがあり、両方使います。 コパーテープとその周辺のガラスに塗布して、ハンダがのりやすくするものです。 フラックス用の筆は、液体フラックスには柔らかい水彩画用、ペーストフラックスには硬めの油絵用が適しています。
 ハンダ棒は直径3mm×長さ40cm程度のステンドグラス用を用います。 ハンダは錫と鉛の合金ですが、6:4の比率のものを買ってください。5:5は融けにくいです。 ピンセットは短くなったハンダを摘むとき使います。
ハンダの準備
写真のように、組み立て用型紙の上に、テープを巻き終わったピースを並べておきます。 まず型紙の外周線に、ピースの外周を合わせます。 その後、ピース間の隙間を均等にするように位置を微調整すると、完成時に形が崩れません。
ピースを並べる 並べ完了
 《2》 点止め
 ハンダ作業に入る前に、必ず安全メガネを装着してください。 ハンダはかなり高い頻度ではじけ飛び、危険です。
 まず「点止め(仮止めとも言います)」です。ハンダはガラスには付かず、コパーテープにしか付きません。 最初にガラスピースの角が集まった交差点部分に、点のようにハンダを付けていきます。 これは、全体がずれないようにする仮止めです。
 ハンダゴテをコンセントに差込むと、3〜5分ほどで最高温度になります。 点止めでは、液体フラックスを用います。 ペーストだと、塗布する時、ピースの位置をずらしてしまう恐れがあるからです。 各交差点のテープ部分に、筆で液体フラックスを少し塗ります。 そして、熱したコテ先にハンダ棒を軽く押し当て、コテ先に水の滴のようにハンダをぶら下げます。 このハンダの雫を、落とさないように交差点に軽く押し当てます。 ハンダが、交差点の隙間に染み込めばOKです。
この時、コテ先でガラスを動かさないように注意してください。  全ての交差点に点止めすると、ピースがずれなくなります。
液体フラックスを塗布 ハンダの雫
筆やハンダコテは、上下にだけ動かし、左右には動かしません。

 (1分21秒)

 《3》 外周部のハンダメッキ
 作品の外周には、最終的には仕上げ部材として、レッドケイムが付きます。 このレッドケイムとハンダが干渉しないように、外周に近い部分1cmほどには、極薄くハンダを盛ります。 銀色が付けばいいといったイメージです。 これをハンダメッキと言います。
外周部
外周部の仕上げ工程
 このハンダメッキ以降の工程では、ペーストフラックスを用います。 ペーストは、液体に比べて、人体への害が少なく、またハンダが錆びる危険性も低いです。 コパーテープに筆でペーストを塗り、次に微量のハンダをコテ先に着けて、薄く延ばす要領でハンダメッキします。
ペーストを塗り ハンダメッキ

 (1分31秒)

 《4》 本ハンダ
 本ハンダ(仕上げハンダ)に入ります。本ハンダは、ハンダでコパーテープを完全に覆いつくし、且つこんもり盛り上げます。 薄いと見た目が貧相なだけでなく、強度的にも弱くなります。
 まず、テープ表面とその周囲1cmくらいのガラスにも、ペーストフラックスを塗ります。 一度に全体に塗っても良いですし、1回のハンダ付けの面積までにしておいても結構です。 次に、コテ先にハンダを融かし付けて、そのハンダをテープ上に「置いていく」ような要領で、ハンダを盛って行きます。
 ハンダは数秒で固まりますが、コテを押し当てるとまた融けますので、納得いかない部分は、何度でもやり直せます。 ただし、加熱回数が多いとハンダは劣化して汚い仕上がりになりますので、数回の加熱までに留めて置いてください。
 美しいハンダは、@断面がこんもりと蒲鉾型に盛り上がっている、Aシワやピンホール(小さな穴)がなく、 Bガラスの角部にかぶさっていないものです。 Bの防止のためにも、角や交差点には盛り過ぎないよう注意してください。
 もしコテ先が汚れたら、水をしみこませたスポンジにコテ先をこすり付けて、時々クリーニングして下さい。

醜いハンダと美しいハンダ
醜いハンダと美しいハンダ

フラックス塗布 本ハンダ
ペーストの塗布              本ハンダ作業

拡大図 表面完成
拡大図                  表面の本ハンダ終了

 (1分50秒)

 《5》 裏の本ハンダ
 表面の本ハンダが終了したら、裏返して裏も同様に本ハンダします。 ここでの注意点は、裏面では、長々とハンダゴテを押し当てないということです。 熱が表面に伝わってしまうと、折角仕上がった表面が融けて流れてしまうからです。 裏は、手早くが基本です。

裏の本ハンダ前 裏の本ハンダ後
裏の本ハンダ前                  裏の本ハンダ終了後

断面図
ただし、表面が流れてハンダのコブが出来てしまっても、もう一度表面から修正出来ます。

ハンダのコブ1 ハンダのコブ2
表に流れ出たハンダのコブ

ハンダのコブ修正後
再加熱で修正

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