ステップD2. モールドについて

 《1》 種類
 モールドはステンドグラスシェードの形を決める重要な道具です。ティファニーランプを作るための代表的なモールドを紹介します。 まず、形による分類ですが、
 a.d. チューダー(円錐)
 b. ロンド(半球)
 c. コムソウ(虚無僧)
 e. ヘルム
などがあります。型紙の展開図を下図に示します。展開図が扇形の平面になりデザインが簡単なのが、円錐形の「チューダー」です。 この講座では、モールドの底円部の直径が約30cmの d.チューダー(小)を使用します。 ただし、同じモールドが手に入らない場合は、大きめのもの(例えば直径40cm程度)でも結構です。 ちなみに、このコースで紹介したモールドは、残念ながら全て生産中止(廃番)になっています。 付記の「工具と消耗品一覧」では、これに近い形状のものを紹介しています。
モールドの種類 展開平面
 モールドの分割による分類では、@全周、A半周サイズ、A1/3周サイズなどありますが、 作りやすいのは@全周です。
 また、材質による分類では、@耐熱性樹脂、A発泡スチロールなどがありますが、組立てで半田ごての熱に耐えなければならないので、 @耐熱樹脂が良いです。今回用いるモールドは、全周タイプで耐熱樹脂です。
 《2》 キャップの種類
 キャップとは、 シェードの頂上に付く金属製のふたのことで、ランプベースとシェードのつなぎ目の部品でも有ります。 このキャップにも色々な種類があり、真鍮の板金製がポピュラーです。この板金製キャップを用いた組み立てを「直付け式」といいます。 板金キャップは、半田でシェードに直付けして固定されるからです。 板金キャップを選ぶときのポイントとして、必ず孔が開いているものを選んでください。 この孔から電球の熱を逃がし、シェード内部の熱のこもりを防ぎます。 キャップ直付けの制作例を付記2に載せておきます。
 今回は、少し高度な方式で、強度的にも美的にも優れた「ホイール・リング式」を用います。 ホイール・リング式は、特に大きなシェードで効果を発揮します。 この場合、キャップ、リング、ホイールの3個の部品を用います。そして、シェードに半田で固定されるのは、 キャップではなくリングです。その他の2部品は、ベースにネジで固定されます(詳細は、後の章で)。 ホイール・リングとの組み合わせ式で用いるキャップは、直付け式のような板金製ではなく、どっしりとした鋳造製のものを用います。 今回は、以下のサイズ(直径)のものを用います。
 @ キャップ:ワーデンキャップ・3インチ
 A リング:2と3/4インチ
 B ホイール:2と3/4インチ
種々のキャップとホイール・リング
 《3》 モールドの展開図を作る
 モールド表面の展開図を紙で写し取ってから、この紙にデザインを描きます。まず、正確な展開図を作りましょう。
 @ モールド表面を覆う十分な大きさを有する紙を用意し、扇形を作ります。
大きな扇形の紙
 A この紙を、モールド表面に載せて、隙間が出来ないように押さえます。特に頂点が、モールドの(仮想の)頂点に一致するように注意します。 そして、写真のように重なった部分がわかるように、上側になった紙の縁を下の紙に写し取ります。

 (17秒)

扇形の紙をモールドに載せる 縁の線を下になった紙に写し取る
 B 扇形の紙が開かないように、セロファンテープで仮止めします。頂点にリングを置き、リングの外周を型紙に写し取ります。
リングの形を紙に写し取る
 C 紙をモールドから外し、頂点のリング部分を丸く切り落とします。
 さて、型紙にデザインするに当たって、展開図全体に1枚の絵を描く方法も有りますが、多くのティファニーランプでは、 同じ模様が数回繰り返されて一周になっていることが多いのです。 今回も、全集の1/3の面積のデザインを作り、これを3回繰り返して、一周にしたいと思います。
 そのために展開図の頂角を分度器を使って測定しておきましょう。今回は264°でした。 この264°を3等分して(264÷3=88°)、頂角88°の扇形を得ます。これがデザイン画を描く基本の用紙になります。
展開図
 D また扇形の半径も決めます。この半径は、モールドの円錐部分と下にだれている垂直部分(円柱部分) との境目までとしておきます。この半径のさらに外側に幅1cmのボーダーと言われる帯状の模様を後付けします。 下の断面図をご覧下さい。ここでモールド表面(シェード下面)の赤い線の部分が、型紙になります。
モールドとシェードの断面 1/3サイズのデザイン用紙

前へ 次へ


■写真はクリックすると拡大表示されます■