《1》 概要
今回は、ガラスサンプルの写真をご覧頂ながら、代表的なステンドグラス用ガラスについてご説明します。
当工房では、色々なメーカーのガラスを使用しています。ここでは、代表的な会社を見てみましょう。
《2》 ココモ社
始めは、米国のココモオパールセント社です。歴史あるガラスメーカーであるココモ社は、1世紀以上の歴史があり、
ガラスの種類はなんと数百種類。何より多彩な色、テクスチャーの異なるガラスが豊富です。
手ごろな値段のオパールセントガラスとキャセドラルガラス(ハンドロールのトランスペアレントガラス)は特に需要が多く、
世界中で愛用され続けています。ガラスは柔らかく、初心者でも切りやすいです。
歴史ある会社だけに、日本でも古い洋館のステンドグラスに多く採用されています。
《3》 ブルズアイ社
次は、同じくアメリカのブルズアイ社です。有名なティファニーランプ(ステンドグラスのランプジェード)
や、フュージング(ガラスを窯で融かす技法)を作る愛好者には、絶大な人気があります。
中でも変わったテクスチャーを持つキャッツポーという猫の足跡のような模様が付いたガラスや、
輪の模様があるリングモトル、流れ模様の綺麗なストリーキーのリングモトルには、他にはないビビッドで鮮烈な印象があります。
美しい模様やテクスチャーを眺めているだけでもうっとりしてしまいます。
多くの方々に定評のあるブルズアイのガラスで、個性的かつ魅力的なランプを作りましょう。
《4》 ランバーツ社
そして最後は、ドイツのランバーツ社です。
アンティークガラスのメーカー・ランバーツ社では、職人がガラスを1枚1枚手作りしています。
1枚のガラスに職人達の手の温もりを感じますね。
芸術品ともいえるこのガラスの単色カラーは、色や透明感の異なる数多くの種類が存在し、多色のストリーキーにも力を入れています。
そして、透明ガラスに半透明ガラスの薄い層を被せ、2層になっているオパックは、鋭さの無い柔らかい光を放ちます。
趣のある落ち着いたランプを作る際には、是非、用いていただきたいガラスです。
当工房では、ランバーツ社のアンティークガラスを数多くの作品で用いています。
アンティークガラスを一枚使用するだけで、まるで西洋の教会のステンドグラスを思わせる、重厚感のある作品に仕上がります。
下の写真は、ランバーツ社のトランスペアレント(色は淡いアンバー)です。
このガラスの特徴である厚みの不均一さ、細かい線模様、気泡のため、透けて見える背景がゆがんでいます。
この特異なテクスチャーが、他のガラスには存在しないアンティークガラスの良さです。
《5》 課題作で使用するガラス
今回は、以下に示すオパールセント系と透明系の2種のガラスを使用します。
写真では、オパールセント系はブルズアイ社(記号BU)のBU6336、
透明系はココモ社(記号K)のK419Aです。
ブルザイ社の BU6336 というガラスは、ストリーキー(流れ模様)であると同時に、リングモトルと言う独特の輪模様があるガラスです。
ですが、残念なことにメーカーで製造を中止したため、現在はこれに近いガラスのブルザイ社BU3108をお勧めしています。
課題作でのガラスの例
記号 | ガラスの種類 |
メーカー/品番 |
購入面積 (元版に対する) |
a | オパールセント/多色 | ブルザイ社:BU3108 | 1/4 |
b | トランスペアレント/紫 | ココモ:K419AまたはK406 | 1/4 |

ブルザイ社:BU3108