ステップC7. 半田技法(美しい半田)

 《1》 点止め
 全ピースにコパーテプを巻き終えたら、「組み立て用型紙」の上に並べます。ピンセットなど先が尖ったもので、 ピースとピースの間隔などを微調整します。
 次に、「点止め(仮止め)」です。これは、線状に半田を付ける「本半田」の前に、ピースの境界線の交差点部分に点状に半田を付け、 全体が動かないようにする作業です。この時使うフラックスは、液体フラックスです。 ペースト・フラックスでもかまわないのですが、粘性が高くて、塗布時にどうしてもピースが動いてしまいます。 ですので、液体の方が作業しやすいです。交差点に筆で塗布しますが、この時、筆を横にずらさず、 真上から軽く押し付けるように塗布します。次に、塗ったフラックスの上から融けた半田の雫を置いていきます。
液体フラックスを筆で塗布 半田を点状に置いていく
全ての交差点に点止めをすると、ピースは動かなくなります。
点止め完了
 《2》 本半田
 本半田は、ペースト・フラックスを用います。ペーストは、液体フラックスに比べ科学特性が弱く、 蒸気による身体への影響が少ないからです。また、液体のように乾燥しないので、効果が持続します。そのため、一度半田して、 後から修正しようというとき、再度フラックスを塗らなくても済みます。さらに、完成後の錆びにくさについても、ペーストの方が有利です。 大作の本半田のときは、ペーストを用いることを勧めます。ペーストは豚毛の油絵筆などの大き目ですこし硬い筆を使うと良いです。
 ペーストを広範囲に塗布して、本半田を付けていきます。 こんもりと盛り上がるように、しかし角、隅にはみ出さないように仕上げます。 また外周部には後にレッドケイムを巻きますので、干渉しないように、外周1cm帯の範囲は、半田を高く盛らず、半田メッキ状態にします。
ペーストフラックスを大き目の筆で塗布 本半田しているところ

 (25秒)

表面の本半田が終わりました。
表面の本半田完
 《3》 裏面の本半田
 裏返して、裏面も同様に本半田していきます。裏返すときの要領ですが、 仕上げ途中の作品を持ち上げると、ガラスが割れたり、半田部分で分解してしまうことがあります。 ですので、このように大きな作品を裏返すときは、2枚の薄いベニヤ板で挟んでベニヤごと裏返すと良いです。 その時、手で強く挟むか、紐でぐるぐる巻きにするかして、ベニヤと作品を一体にして動かすことが大切です。
ベニヤと作品が一体にして裏返し 裏面の本半田
 《4》 ピンホールの補修
 両面の本半田が終わったら、美しく仕上がっているか、目視確認をします。まず下のような小さな穴(ピンホール)が ないか注意して見ていきます。ピンホールは見苦しいですし、直下に大きな気泡があるので、 ここに水や塗布した薬がたまり後々錆の原因にもなります。軽く半田ゴテを当てて、塞いでおきます。 直下の穴が大きいと、すぐには塞がらず、半田がはじける場合があります。その場合、ペーストを塗って、じっくり半田で埋めてください。
ピンホール
 《5》 波状の凹凸の補修
 また、よく見かけるのが波状の凹凸です。これは、固まっている半田と融けた半田の境界線に出来ます。 本半田が上手くいかず、何度も再加熱すると出来てしまいます。これも見苦しいので、その凹凸を含む広範囲を再度加熱して、 ゆっくりコテ先を離すようにして補修しましょう。
波状の凹凸の補修
 《6》 下面への漏れ
 裏面の半田作業をしているとき、あまり長くコテ先を当てていると、融けた半田が落盤のように、下面に漏れ出てしまうことがあります。 半田に熱が伝わって、折角仕上げた表面まで融かしてしまったために起こる現象です。漏れ出た半田は下の写真のように、裏で丸く瘤状に なっています。
漏れでて裏面で瘤状になっている様子
 これを避けるためには、裏面の本半田のとき、加熱時間を短めに、要領よく仕上げていけばよいのですが、 もし漏れ出てしまっても、簡単に補修できます。 再度パネルを裏返し、瘤のようになった半田を融かして周囲に伸ばしてきれいにします。 伸ばしきれないほど大きな漏れでしたら、融かして、コテ先ですくい取る必要があります。
漏れ出た半田の補修

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