インドネシアからステンドグラス作家さん来房

Face Book で知り合った外国のお客様が、今日、当工房に遊びに来てくださいました。FBがらみの外国からのお客様は、フランスに続き2組目です。

インドネシアを代表するジャカルタのガラス工芸工房 Eztu Glass Art のオーナー ブライアンさん(Mr. Brian Yaputra)です。私とは比べ物にならないほどのビッグな作家さんです。社員はなんと数百名、インドネシア国内はもちろん、日本はじめ世界各国に作品を送り出しています。

彼のサイトはこちら。

Eztu Glass Art のオーナー ブライアンさん(Mr. Brian Yaputra)

インドネシアを代表するガラス工芸工房 Eztu Glass Art のオーナー ブライアンさん(Mr. Brian Yaputra)。<雑誌の掲載記事から>

まえから、FBでお互いの作品写真に感想を書き込み合っていたのですが、ブライアンさんが、ご家族で日本に旅行するこのタイミングで、当工房もスケジュールに組み込んでくださいました。

私の作品の写真を撮ってくださっています。恐縮です。

達風ギャラリーにて、私の作品の写真を撮ってくださっています。恐縮です。

ブライアンさんの工房では、伝統的な絵付けステンドグラスから、亜鉛線組の頑丈なステンドグラス、大判のフュージングなども手掛けているそうです。いわゆるガラスアートの総合メーカーと言ったところで、モスクや教会、商店、公共建築、民間住宅など、ありとあらゆるところに納めています。

ギャラリーには子供がちょろちょろ

ギャラリーには子供がちょろちょろ

折角なので、ということで、お互いに得意な「書」と「墨画」の即興ワークショップです。ブライアンさんは中国系インドネシア人と言うことで、書はおてのもの。

ブライアンさん、「友情」と墨書しているところ

ブライアンさん、「友情」と墨書しているところ

私は、ジャカルタの花「蘭」を水墨画で描きました。その後、作品の交換会です。

書と墨画の交換会。私が描いたのはピンクの「蘭」。

書と墨画の交換会。私が描いたのはピンクの「蘭」。

この後、日本蕎麦とエビ天の手製粗食でランチを共にし、再会を誓って午後2時に帰って行かれました。

帰るときの記念撮影。子供たちは、ちょうど夏休みです。英語の会話に入ってこられず、終始もじもじしていました。

帰るときの記念撮影。子供たちは、ちょうど夏休みです。英語の会話に入ってこられず、終始もじもじしていました。親指を立てるのが、彼のお決まりのポーズ。

今日は、梅雨明けの最高に暑い日でしたが、彼曰く「日本はカラッとしていて気持ちがイイ暑さ」だそうです。日本に多数いるステンドグラス作家の中で、なぜ私を選んでくれたのか...彼曰く、デザインの絵画性がお気に召したらしいのですが。私以上に立派な方は、もっといるんですがね。

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ステンドグラス制作者の「ぎやまん草子(その32)」「不戦」

私は臆病者です。喧嘩も、痛いのも大嫌いです。ですから、もし戦争が起きても、私は兵隊に行きません。卑怯者と言われようとも。
世に「戦争反対」を唱える人は多いですが、「いざとなったら従軍し、戦う覚悟もあります」と付け加える人も結構多いのです、特に若者世代を中心に。報道番組のインタビューを見ていて感じました。それが愛国心なら敬意を表しますが、一抹の不安も感じます。世界中で今なお繰り返される戦争、紛争、聖戦、内戦、テロと言われるものは、「いざとなれば私は戦う」というこのシンプルで勇敢な決意を、為政者達に利用されて起きていると愚考するからです。
貴方は私にこう問うかもしれません。「他国が土足で踏み込んできても黙っているのか。目の前で君の愛する家族が殺されても、黙って見ているのか。」
卑怯な私は、この質問をも拒否します。このような究極の状態を想定してまで、平時から闘争心を醸成させる必要など無いと思うからです。人間としての最大限のエネルギーと英知を結集すれば、このような事態になるはずがないと。よしんばそうなっても、「戦う」というオプションは考えません。
臆病者の私は、喧嘩をせずに事を収めることを何時も考えています。そして「戦争の無い世界にするにはどうすればよいか」ということも。戦争は天災ではありません。必ず「人」が起こすことです。であるが故に、「戦争をする人がいなければ、戦争は絶対に起きない」と思うのです。さらに愚策として、例えば防衛予算をそっくり「世界平和研究所」設立予算に回して、日本をして世界をリードする平和探究国家たらしめるというのは如何でしょう。日本が、世界中からもっと尊ばれ愛される国になる研究をするのです。日本にはその素地があると思います。私が好きな次の文章に、それが窺えます。日本国憲法の「前文」と言われるものです。
『(前略)日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。われらは、いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであつて、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従ふことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立たうとする各国の責務であると信ずる。日本国民は、国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓ふ。』
ともすると、米国から押し付けられた憲法だと揶揄される日本国憲法ですが、この文章からは戦争の悲劇にうんざりした日本と世界の人々の、不戦への強い願いを感じます。
現在世界には、アイスランドを含め25ヶ国ほど、軍隊を保有しない国があるそうです。ちなみに自衛隊は軍隊とみなされているので、日本はこの中に含まれません。 25ヶ国それぞれに、不安や苦労、自己矛盾などはあると思いますが、その国民の決意に学びたいです。

フュージング画「訶梨帝母」 鬼子母神とも言います。人の子を殺め喰うという悪習を止めて、神になる道を選びました。

フュージング画「訶梨帝母」
鬼子母神とも言います。人の子を殺め喰うという悪習を止めて、神になる道を選びました。

和風ステンドグラス「滝桜」は組み立てに入っています

ステンドグラス作りのクライマックス、組み立て工程です。コパーテープ技法の場合、ハンダ付けがこれに相当します。

組み立て用の型紙の上に、ジグソーパズルの要領でガラスピースを並べていきます。

組み立ての最初は、ガラスピースを並べるところから始まります

組み立ての最初は、ガラスピースを並べるところから始まります

ここではじめて、ステンドグラスの全容を見ることになり、わくわくします。

全ピース並べ終わりました

全ピース並べ終わりました

ガラスピースの銅テープ部分に、融かしたハンダを盛っていきます。

ハンダ付けの工具と材料です

ハンダ付けの工具と材料です

この作業自体は、1日で終わらせます。長くかかると、銅テープも酸化して、きれいに仕上がらなくなります。

周囲は幅12mmの鉛線(真鍮補強入り)で囲みます

周囲は幅12mmの鉛線(真鍮補強入り)で囲みます

ハンダが終わったら、すぐに洗浄です。

ハンダ付けの時にフラックスと言う薬品を付けていますので、これを洗い流し、また、ハンダ線を磨き上げます。

ハンダ付けの時にフラックスと言う薬品を付けていますので、これを洗い流し、また、ハンダ線を磨き上げます。

最後に仕上げで、ハンダ線を黒染めします。

パティーナと言う薬品を使って、ハンダ線を黒く染めます

パティーナと言う薬品を使って、ハンダ線を黒く染めます

ハンダ線が黒くなると、画面が一気に締まります。

この後、防錆用のワックスを塗り、鉛線の隙間にパテを詰めれば完成です。

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和風ステンドグラス「滝桜」は、銅テープ巻き工程です

研磨の終わったガラスピースの縁の部分に銅テープを巻いています。このテープは幅5mmほどで、裏に粘着剤が付いています。

ガラスピースの縁に銅を付けることにより、後の組み立て工程で、ハンダ付けできるようになります。

長い銅テープを、ガラスピース1個1個の縁を巻いていきます。

長い銅テープを、ガラスピース1個1個の縁を巻いていきます。

ヘラで押すことにより、密着させ、中の空気を抜きます

ヘラで押すことにより、密着させ、中の空気を抜きます

ステンドグラスの仕上がりの綺麗さは、この銅テープの巻きで決まります。ガラスカットの綺麗さで決まるわけではないところがポイントです。

巻き終わったピース

巻き終わったピース

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