丸いステンドグラスを制作中です

オーダーメイドで直径50cmの丸いステンドグラスを制作しています。デザインは、ちょっと抽象的な、でも分かりやすい「日の出」と名付けたものです。赤やオレンジ色、ブルーが同居する、私としては派手な部類のデザインだと思います。

研磨して、形を整えているところ

ガラスピースをルーターというダイヤモンドの回転砥石で、研磨して、形を整えているところです。

ガラスは80%がアンティークガラスです。アンティークと言っても、中古の板ガラスを探してきて使っている、というわけではありません。一種の業界用語で、アンティークな手法=つまり手拭きで作った(新しい)ステンドグラス専用板ガラスのことです。ドイツのランバーツと、フランスのサンゴバンを使っています。

残りの20%は、米国製のハンドロールガラスです。

研磨が終わって整頓されているピースたち

研磨が終わって整頓されているピースたち

ステンドグラスの組み立ては、型紙の上に銅テープを巻いたピースを並べるところから始まります。だんだん絵が出来ていくようで、わくわくします。

ピースを型紙上に並べ、いよいよ組み立ての開始です

ピースを型紙上に並べ、いよいよ組み立ての開始です

ピースとピースの間に、融けたハンダを流し込み、つなげていきます。

ハンダ作業中

ハンダ作業中

ハンダは、銅テープにしかつかないので、ガラスが汚れることはありません。

ところで、ステンドグラス制作を続けていると、ガラスの端材がたくさん出ます。これをためておいて、時々フュージング技法を使って、アクセサリーを作っています。これが、時々売れるので、嬉しくなってまた作るのですが。で、だめもとで、通販サイトをこしらえて、そこでも販売してみようかな、と思っています。

フュージング・アクセサリー通販サイトを作っています

フュージング・アクセサリー通販サイトを作っています。普段は、工房に来て下さった方にだけご提供しているものです

とは言っても、いまどき。サイトを作っても、気合を入れたSEOをしないと、誰も検索して見に来てくれないんですけどね...これがまた大変で。

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ステンドグラス・アクセサリーの試作

ステンドグラス用ガラスの廃材を使って、新しいデザインのアクセサリーを開発中です。

ネットで「ガラス・アクセサリー」とか「ネックレス」と検索すると、無数の販売サイトや画像に触れることが出来ますが、どれもこれも同じように見えて仕方ありません。面白い、かわいらしいと驚きをもって見られるデザインになかなか出会えません。

一番多いのが、ビーズのようなガラス管を多数つなげたタイプ。トンボ玉もこの類です。私は、もっとガラスガラスしたものを作りたいです。

今、ステンドグラス用ガラスを数枚、積層して、焼成しています。色々なサイズ、向き、枚数で実験を重ねています。

ステンドグラス用アンティークガラスを積層して、試作している様子

ステンドグラス用アンティークガラスを積層して、試作している様子

積層して焼成すると、境界が残った状態で、お互いにくっつきます。その時の内部の屈折が美しい輝きを生み出します。

1辺10mmの正方形に切った薄板ガラスを積層しています。

1辺10mmの正方形に切った薄板ガラスを積層しています。

ペンダントトップを試作中

ペンダントトップを試作中

現在、試作品がごろごろできています。が、なかなか満足のいくものが出来ません。面白いものが出来たら、ガラスアクセサリー専門の販売サイトを作ろうと思っています。

ペンダントトップの試作品

ペンダントトップの試作品が、数だけは出来ています。

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ステンドグラス用ガラスで、アクセサリー制作

ステンドグラスに用いるアンティークガラスがとても美しいので、その端材がある程度たまると、アクセサリーを作ります。特に、ストリーキーガラスという、複数の色が流れ模様で1枚に同居するガラスは、切らない方が良いのではと思うほど美しい逸品です。このガラスを小さく切り、窯でフュージングして、ネックレスやイヤリング、ピアスなどに加工します。

ストリーキーガラスを窯に入れて融かします

ストリーキーガラスを窯に入れて融かします

本来なら捨てられる運命にあるステンドグラス用ガラスの端材が、新たな命を宿す瞬間です。

ネックレスのトップ

ネックレスのトップに加工

合皮紐を通して、ネックレスに加工します。

小ぶりのトップはチョーカーに

3cmほどの小ぶりのトップは、チョーカーに。メタルビーズも通します。

長さ5cm以上の大きなトップは、長めのネックレス。

長さ5cm以上の大きなトップは、長めのネックレス。

ピアスやイヤリングも素敵です。

ピアスとイヤリング

ピアスとイヤリング。ぶらぶらタイプです。

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ステンドグラス制作者の「ぎやまん草子(その17)」 「墨画」

脱サラしてステンドグラス制作業を始めたとき、同時に東京にお住まいの書・墨画家、鈴木桂石先生に師事して墨画(水墨画)を始めました。目的の一つは、ステンドグラスの絵画性に墨画の要素を取り入れたかったため。もう一つは、正式に「芸術」というものを教わってみたかったためです。

私は小さいときから好きで絵を描いていますが、ちゃんと先生に就いて教わったことが無いのです。デッサンも油絵も、ステンドグラス(の初期段階)でさえも教本と試行錯誤による独学です。この独学主義には、いつのころから、独りよがりな理由付けがなされるようになりました。「修正の効く画法は、見る目さえあれば自力でそこそこ出来る」という。デッサンや油絵のように、いじくり倒せる画法なら、センセーに教わらずとも、時間をかけて直し直し自力で完成させるわ、というものです。

しかし、墨画はそうはいきません。一発勝負の世界です。一度紙の上に落とした墨は消すことができません。また、一寸そこそこの筆毛の表裏に水と墨の両方を含ませたなら、時間をおかずに一気に描かなければなりません。思考よりも早く筆を運ばなければ、線質に生命を宿すことはできません。ちょっとした迷いや躊躇が、致命的な滲みを残します。後半生墨画家となった宮本武蔵ではありませんが、墨画道には武士道に通じるものを感じます。この世界は独学では無理です。名人の技をすぐ側で見る必要があります。私を素直にしてくれる面白い画法に出会えたものです。そして、良い先生に。

写真は、墨画で原画を描き、それを元にステンドグラスにしたものです。実の部分の黄色以外は、クリアとグレーのモノトーンです。まるで墨画のように。わざわざ筑波山までスケッチに行った、思い出の作品でもあります。

ステンドグラス「枇杷」

ステンドグラス「枇杷」
サイズ:46×61cm

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