ステンドグラス用ガラスの 選び方のコツ

 この通販でも、約2,000種ものガラスを用意していますから、初心者の方は一体どのガラスを買えばよいのか、迷ってしまうと思います。 ガラスサンプルセットを購入しておけば、名刺サイズのガラスを見比べながら決めることができますが、数社分を揃えるとなると、 資金的にも大変です。

 そこで、このページの下のほうにあるチャートを見て、まずはそこにあるオーソドックスなガラスを購入してみるのも手です。 気に入ったガラスをクリックするだけで、即、詳細説明と注文画面に移れます。

 自分のお気に入りのメーカーを決めて、買い揃えるというのもよいです。私(福田)は、透明系ではランバーツ社、オパールセント系ではウロボロス社が多いです。 以前はブルズアイ社を愛用していましたが、最近同社がフュージブル以外のガラス製造を中止したので、買わなくなりました。

 この表に無いようなカラフルなストリーキーガラスは、見た目に綺麗でつい買ってみたくなりますが、 高価ですしデザインに取り入れるには相応のセンスが必要です。少し慣れてから買うようにしましょう。

ガラスの用語集(覚えておくとガラス選びが楽になります)

ガラスの値段を比較するときの基準面積のことで、1坪=30cm×30cmです(畳2帖分ではありません!)。 坪単価=***円 などのように使います。 実際のガラスが、1坪単位で買えるわけではないので、注意が必要です。
テクスチャ ガラスの質感のことです。色と合わせて、ガラスの特色を決める重要な要素です。 表面の凹凸や模様、中の気泡、色の流れ具合などをいいます。多くのメーカーが、同一色に対し、複数のテクスチャを用意しています。
透明ガラス トランスペアレント・ガラスとも言います。 透明といっても無色というわけではありません。色付きであっても、ガラスの後ろ側が透けて見えるガラスは透明といいます。 主に、窓用パネル作品に用い、太陽光で美しく発色します。テクスチャの違いにより、背景の景色の見え方(歪み方)も変わります。
オパールセント
ガラス
磁器のような半透明で、光は通しますが基本的にはガラスの後ろ側は透けません。 ですが、透明とオパールセントの中間的性質のものもあり、それだと若干透けます。 19世紀末にティファニー2世が発明して、ランプに応用しました。 電球のような点光源でも、面全体で拡散発光して美しいです。窓作品に用いても面白いです。
流れ模様 テクスチャの一種で、ストリーキーとも言います。1枚の中に複数の色をマーブリング状に混ぜたガラスです。 大きなうねりの縞模様になっていて、小さなピースに刻んでも、変化を与えます。 作品中で流れの向きをどう配置するかは、悩ましいところで、私(福田)は水平方向に統一するようにしています。
リングモトル テクスチャの一種で、オパールセントの高級品でもあります。独特の輪模様が浮き出ていて、 ランプにすると有機的でエキゾチックな印象を与えます。
キャセドラル テクスチャの一種で、表面に不規則な細かい凹凸を付けたガラスです。荒い曇りガラス効果があります。 古い教会(カテドラル)に用いたので、この名が付いています。比較的廉価なガラスに多いです。
ガラス品番 ガラスの商品名のつけ方のルールで、例えば SP121RR-A の場合、
SP:メーカーコードで、例の場合「スペクトラム社」。121:色コードで「淡い緑」。RR:テクスチャ・コードで「ラフロール」。 -A:価格コード(後述)。
価格コード 品名の最後についているローマ字のことです。A→B→C→D→と順に坪単価が高くなっていきます。 同じシリーズでも色によって、坪単価が異なります。それは、発色剤として添加している金属元素の値段に因ります。 ゴールドピンクは、文字通り高価な金が添加してあるので、高くなります。 またレアメタルであるセレンを添加した、オレンジや黄色も高価です。
フュージブル フュージングにも使えるように、膨張係数という物性値を一定にしたシリーズです。 膨張係数=90に揃えたブルズアイ社のBUFシリーズが有名です。 基本的にはステンドグラスに使えますが、ストライカーと言って購入時ほぼ無色で、 800℃ほどに加熱しないと発色しないガラスがあるので、注意が必要です。

※このチャートは、在庫を保証するものではありません。ご注文の前に必ず ガラス在庫表 で在庫確認をしてください

透明系ガラス(窓作品向け)チャート

初級者向け
【SP】
スペクトラム
坪単価900〜2,000円
アメリカのメーカーです。 値段が安く、厚みが均一で切り易く、最小販売サイズが30cm四方と小さいので、まさに入門者にはお勧めのメーカーです。
テクスチャは、オーソドックスなアーティックとラフロールおよびスムーズを選びました。 アーティックはアンティークガラスに似せた線模様を、ラフロールは不規則な細かい凹凸を工業的に表面に付けたもので、 程よく歪んだ透過性があります。
ピンクオレンジ淡緑or黄緑

《 SP152A-F 》
レッド・アーティック

《 SP171RR-F 》
オレンジ・ラフロール

《 SP161RR-F 》
イエロー・ラフロール

《 SP121S-A 》
淡グリーン・スムーズ

《 SP123RR-B 》
グリーン・ラフロール
水色クリアーグレーアンバー(薄茶)

《 SP134RR-B 》
コバルトブルー・ラフロール

《 SP533-3RR-A 》
アクアブルー・ラフロール

《 SP534-2RR-A 》
パープル・ラフロール

《 SP100A-D 》
クリアー・アーティック

《 SP180.8A-D 》
淡グレー・アーティック

《 SP110.2RR-A 》
アンバー・ラフロール

初級者向け
【K】ココモ
坪単価1,100〜2,000円
アメリカのメーカーです。 厚みが均一かつガラス質が柔らかく切り易いので、入門者にはお勧めです。 表面は少々ざらついた感じで、高級感には欠けますが、程よく気泡も入っており、古き良き時代のガラスといった風合いです。 坪単価は安いのですが、最小販売サイズが41cm四方と大きいので値段はSPよりやや高くなります。 テクスチャは、オーソドックスなキャセドラルを選びました。 歴史あるメーカーですので、古い教会のシンプルなステンドグラスにも使われています。
ピンクオレンジ淡緑or黄緑

《 K503G 》
レッド・キャセドラル

《 K509G 》
オレンジ・キャセドラル

《 K708G 》
イエロー・キャセドラル

《 K204A 》
オリーブグリーン・キャセドラル

《 K208A 》
グリーン・キャセドラル
水色クリアーグレーアンバー(薄茶)

《 K310B 》
透明・コバルトブルー・キャセドラル

《 K334B 》
アクアブルー・キャセドラル

《 K419A 》
バイオレット・キャセドラル

《 K000A 》
クリアー・キャセドラル

《 K710A 》
ライトアンバー・キャセドラル

初中級者向け
【EM】
ウィスマーク
イングリッシュマッフル
坪単価1,100〜7,200円
ウィスマークは、歴史の古いアメリカのメーカーです。厚みが均一で切り易いです。 イングリッシュマッフル・シリーズは、細かい鱗模様のキャセドラルで、古風な風合いです。 アンティーク家具や古い家の扉にはめ込まれていそうな、幾何学デザインの作品に向いています。 値段の安いガラスですが、ゴールドピンクだけ、金を含有しているので特別高価です。
ピンクオレンジ淡緑or黄緑

《 EM4912C 》
レッド・イングリッシュマッフル

《 EM4913D 》
ゴールドピンク・イングリッシュマッフル

《 EM4568B 》
ピーチピンク・イングリッシュマッフル

《 EM4906A 》
イエローグリーン・イングリッシュマッフル

《 EM4903A 》
グリーン・イングリッシュマッフル

《 EM4914A 》
グリーン・イングリッシュマッフル
水色クリアーグレーアンバー(薄茶)

《 EM4909A 》
淡コバルトブルー・イングリッシュマッフル

《 EM4908A 》
ブルーグリーン・イングリッシュマッフル

《 EM4218A 》
ラベンダー・イングリッシュマッフル

《 EM4901A 》
クリアー・イングリッシュマッフル

《 EM4911B 》
グレー・イングリッシュマッフル

《 EM4916A 》
アンバー・イングリッシュマッフル

上級者向け
【AL】
ランバーツ
坪単価3,600〜12,000円
ドイツのメーカーです。 アンティーク技法という伝統的宙吹きで手作りされたガラスです。 厚さは2〜4mmと不均一、当たり外れで、切り易かったり、切り難かったりします。 高価で上級者向きですが、アンティーク独特の気泡と線模様、そして色が澄んで美しく、パネル作品には是非とも使いたいガラスです。 表面が滑らかなので、絵付けステンドグラスにも向いています。 グラス工房達風でステンドグラスに使用するガラスは、80%がこれです。
ピンクオレンジ淡緑or黄緑

《 ALU1001MDE 》
レッド(フラッシュ)

《 ALU1042MDK 》
ゴールドピンク(フラッシュ)

《 ALU3410H 》
オレンジ(フラッシュ)

《 ALU1066G 》
イエロー(フラッシュ)

《 ALX2257A 》
グリーン

《 ALXJ99A 》
ライムグリーン
水色クリアーグレーアンバー(薄茶)

《 ALXJ114A 》
ブルー

《 ALXJ115A 》
ターコイズブルー

《 ALX2427A 》
バイオレット

《 ALX1A 》
クリアー

《 ALX2854A 》
グレー

《 ALX74A 》
アンバー

※このチャートは、在庫を保証するものではありません。ご注文の前に必ず ガラス在庫表 で在庫確認をしてください

オパールセント系ガラス(ランプ作品向け)チャート

初級者向け
【SP】
スペクトラム
坪単価900〜2,000円
アメリカのメーカーです。 硬質ですが、表面が滑らかかつ厚みが均一で切り易いです。 坪単価が安く、最小販売サイズが30cm四方と小さいので、まさに入門者にはお勧めのメーカーです。
テクスチャは、流れ模様(ストリーキー)を選びました。植物などを表現するのに適しています。
 
ピンクオレンジ淡緑or黄緑

《 SP359-1S-F 》
レッドの濃淡の流れ

《 SP609-8S-H 》
ピンクの濃淡の流れ

《 SP379-1S-F 》
オレンジの濃淡の流れ

《 SP367-1S-F 》
イエローの濃淡の流れ

《 SP325-2S-A 》
ライトグリーンの流れ

《 SP327-6S-B 》
グリーンの流れ
水色グレーアンバー(薄茶)

《 SP337-2S-A 》
ブルーとホワイトの流れ

《 SP833-91S-B 》
アクアブルーの濃淡の流れ

《 SP843-71S-A 》
ラヴェンダーの流れ

《 SP307S-A 》
ホワイトの濃淡の流れ


《 SP317-1S-A 》
アンバーの濃淡の流れ

初級者向け
【K】ココモ
坪単価1,100〜2,000円
アメリカのメーカーです。 厚みが均一かつガラス質が柔らかく切り易いので、入門者にはお勧めです。 表面は少々ざらついた感じで、高級感には欠けますが、程よく気泡も入っており、古き良き時代のガラスといった風合いです。 坪単価は安いのですが、最小販売サイズが41cm四方と大きいので値段はSPよりやや高くなります。 テクスチャは、色ムラの少ないノーマルと、流れ模様(ストリーキー)です。動植物をテーマにしたデザインに向きます。
ピンクオレンジ淡緑or黄緑

《 KO511G 》
レッド

《 KO806G 》
ホワイトにピンクの流れ

《 KO606G 》
オレンジ

《 KO714G 》
イエロー

《 KO226A 》
ホワイトにグリーンの流れ

《 KO257A 》
ホワイトにグリーンの流れ
水色グレーアンバー(薄茶)

《 KO379B 》
ホワイトにブルーの流れ

《 KO347A 》
アクアブルー

《 KO424B 》
ホワイトにバイオレットの流れ

《 KO117A 》
ホワイト

《 KO904A 》
ホワイトにグレ一の流れ

《 KO104A 》
ホワイトにアンバーの流れ

中上級者向け
【UR】
ウロボロス
坪単価2,500〜5,000円
ガラス質は柔らかいのですが、厚みがあり、ストリーキーの方向性やリングの凹凸に邪魔され、少々切りにくいです。 色合いはビビットで、ティファニーやモダンなランプに向いています。 テクスチャは、輪の模様が浮き出たリングモトルと流れ模様(ストリーキー)を選んでみました。
同社は残念ながら、2016年中の閉鎖が決まりました。後を継いで生産する会社を模索しているようです。 ですので、欠品になった後の再入荷は未定です。
ピンクオレンジ淡緑or黄緑

《 UR00-20D 》
レッド・リングモトル

《 UR00-29H 》
ホワイト、ピンク・リングモトル

《 UR00-917D 》
ホワイト、アンバー、オレンジ・リングモトル

《 UR00-36D 》
イエロー・リングモトル

《 UR00-78D 》
淡いグリーン、グリーン・リングモトル

《 UR60-77C 》
濃いグリーン、淡いグリーン・ストリーキー
水色グレーアンバー(薄茶)

《 UR00-43D 》
ライトブルー、ブルー・リングモトル

《 UR00-40D 》
ホワイト、ブルー・リングモトル

《 UR00-49H 》
バイオレット・リングモトル

《 UR00-05D 》
ホワイト・リングモトル

《 UR60-915B 》
アンバー、イエロー、ホワイト・ストリーキー

中上級者向け
【UG】
ヤカゲニー
坪単価2,400〜5,000円
アメリカのメーカーです。ガラス質はやや硬質です。 渋い色合いのものが多く、ティファニー・ランプをオリジナルに近いかたちで再現するには最適なメーカーです。 テクスチャは、輪の模様が浮き出たリングモトルを選んでみました。
ピンクオレンジ淡緑or黄緑

《 UGCROSB 》
レッド・モトル

《 UG1077GF 》
ホワイト、ピンク・モトル

《 UG5501SB 》
オレンジの濃淡・モトル

《 UG5000SB 》
イエロー・モトル

《 UG4000SA 》
グリーン・モトル

《 UG4444SA 》
ダークグリーン・モトル
水色グレーアンバー(薄茶)

《 UG6000SA 》
ブルー・モトル

《 UG6600SA 》
アクアブルー・モトル

《 UG3060SA 》
パープル・モトル

《 UG1000SA 》
ホワイト・モトル

《 UG700SA 》
グレー・モトル

《 UG1002SA 》
ホワイト、アンバー・モトル

※このチャートは、在庫を保証するものではありません。ご注文の前に必ず ガラス在庫表 で在庫確認をしてください

その他のガラスメーカー

中上級者向け
【BU or BUF】
ブルズアイ
坪単価2,400〜10,00円
アメリカのメーカーです。 かつては、ステンドグラス制作といえばブルズアイと言われるほど、素敵なガラスをそろえた憧れのメーカーでした。 濁りのない単色ガラスや、調和のとれた多色ストリーキー、均質で比較的切りやすいリングモトルは、バラエティーに富み重宝しました。 しかし近年、フュージング用ガラス(BUFシリーズ)の製造に力を入れ、ステンドグラス用ガラス(BUシリーズ)からは撤退し始めました。 そのため、調達できるガラスは国内在庫限りとなりました。熱烈なBUファンは今のうちに買っておく必要があるかもしれません。
一方BUFシリーズは充実の一途をたどっており、これをステンドグラスに使用することは可能です。 ですが、注意しておきたいのは、全体の数割に当たる「ストライカー」という性質のガラスです。 これは、購入時ほぼ無色に近く、各自で800℃ほどに加熱して初めて目的の色を呈するものです。 例えば、「BUF1215ストライカー・ピンク」というガラスを買っても、届くガラスは無色です。 自宅に窯がなければ、ピンクにはなりません。ご注意ください。