パネル
「ショパン」

| サイズ |
W850×H500mm |
| 設置場所 | 千葉県: ピアノ店の展示室(蛍光灯のバックライトで照明) |
| 制作経緯 | オーダーメード |
まず、作曲家ショパンの肖像です。
ピアノの楽曲で有名なフレデリック・フランソワ・ショパン(1810〜1849)は、ポーランド出身の人です。ポーランドはたびたび他国からの侵攻され、幾度となく地図上からその名を消した不幸な国です。ショパンがパリで活躍していたころも、その亡命政府はパリにあったようです。ショパンの父や友人は祖国で抵抗運動をしており、亡命生活の彼は忸怩たる思いで作曲活動を続けていたようです。
ショパンの人となりを研究した資料は膨大ですが、私の持つイメージは、一面弱々しく繊細、もう一面は饒舌でユーモアに富みエネルギッシュです。相反するようですが、ショパンに限らず、若くして才能を花開かせる人間は、必ず内からわき出す強大なエネルギーを持っていると思います。ただ、作風は例外もあることながら全体的に繊細ですし、虚弱で結核で夭折した点、スカーフや手袋をいつも着用していたという貴族趣味から、線の細い弱々しいイメージでも語り継がれています。
彼の作品では、英雄ポロネーズ、ノクターン作品9、幻想即興曲など、みんなが良く知っているような曲が私は好きです。ステンドグラスを制作するに当たり、かなりの資料を読み、私なりの「人間ショパン」像を作り上げてからデザインしました。期間中、ずっとショパンの曲をかけていましたので、私はピアノをやりませんが、とても好きになりました。ショパンの顔と、演奏中の指の形をグリザイユで書き込み、絵画風に仕上げました。「もっと生きたかった。もっと書きたかった」と訴える彼の魂の叫びを表現したかったのですが、いかがでしょう。
パネル
「モーツァルト」

次に、作曲家モーツァルトの肖像です。
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756〜1791)は、ザルツブルクの人。ショパンよりだいぶ古い人で、最初はピアノではなくクラウザンを演奏していました。ショパンと共通しているのは、幼い頃は天才ピアノ奏者として世に知られていたという点です。モーツァルトは特に、宮廷楽団の副団長も努めた父レオポルト・モーツァルトに早い時期に才能を見出され、ヨーロッパ各国を10年間に渡り演奏旅行させられています(ちなみにレオポルトは、おもちゃのシンフォニーの作曲家として有名です)。
多くの期間ウィーンで過ごしたモーツァルトは、ピアノソナタが有名ですが、バイオリンの演奏にも秀でていて、かつ交響曲や協奏曲などありとあらゆる器楽曲、オペラを作曲する、全方位型天才ですね。私は小学生の時バイオリンを習っていましたが、今でも一番好きな曲が、彼のアイネ・クライネ・ナハトムジーク(K525)です(ちなみに、当時の私は簡単な第2バイオリンの方を演奏していました)。
彼の人となりですが、驚かされるのは、度重なる子供の死(6人中4人夭折)という不幸に見舞われながらも、コンスタントに作曲を続けていた点にあります。多くの研究書が、かれの「底抜けの明るさと力強さ」を強調しています。晩年は金銭的に困窮し、多くの知人に送った借金申し込みの書簡が今も残されています。この困窮の中にあっても熱気ある作品が、死の直前まで創作され続けたのには驚きです。
ステンドグラス作品には、ブッ飛ぶほどに放出される彼の創作エネルギーを、彼の横顔に表現したつもりです。また、クラウザンとバイオリンはモチーフとして欠かせませんでした。明るく、世間に疎く、故に悲しい、数百年に一人という天才の狂気の横顔を描こうと思いました。
両作品とも、楽器店の中に展示してあります。我孫子駅の近くですので、よろしければご覧になってください。

ミリオン楽器我孫子店での展示風景
住所:我孫子市本町2-6-22
電話:04-7185-0311
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