なりきりパン職人 なんちゃってバゲット<その2>

JUGEMテーマ:手作りパン

 まずは、渡邉政子・松岡徹著『輝けフランスパン』という私の愛読書を参考に、基本的な「捏ねるタイプの作り方」について書いてみます。


《捏ねる作り方》
<材料> 1個分
フランスパン専用粉(準強力粉または中力粉) 200g
塩 4g
ドライイースト 2g
水 130cc(今回は粉の量の65%)
※私の愛読書によると、水分量は使用する粉の量に対して約62%が基準だそうです。あくまで目安ですので、好みの量を探します。水の量でパンの固さが決まりますので実際は捏ねる時に調節します。耳たぶよりやや柔らかめにすると生地が扱いやすいです。
<水の温度>
 発酵時間の速度は、イーストの量でも変わります。イースト量が多ければ発酵速度が早いです。約24℃の生地であれば、1次発酵は約60分(発酵容器内が約30℃)だそうです。
 水の温度は、約24℃が適温。極端に冷たい水や熱いお湯だとイーストの活性に悪い影響を及ばすようです。この水で使い、捏ね上がった時の生地も約24℃にするよう気をつけます。
 ① 生地温度が24℃以下の場合
発酵時間を長くします。おそらく60分経っても膨らまないと思います。生地温度を上げる為に、さらに捏ね、叩きつけたりするのも対処の1つです。さらに捏ねても温度が上がらない場合は、捏ねるのは諦めて、発酵時間を長くして対処します。
 ② 生地温度が24℃以上の場合
発酵時間が短くなります。おそらく、短時間で大きく膨らむと思いますので、その後の作業を早めます。過発酵にならないように気をつけます。
 いずれの場合にも言えますが、頻繁に生地の状態を確認しなければいけません。

<捏ねる>
 材料は15分ほど捏ねます。捏ね上がりの目安は、生地を少し取り、伸ばしたときに障子ほどの薄い膜ができたら終了です。

材料を混ぜた状態。最初は生地がべたべたしますが、徐々に弾力のある生地になります。

捏ねて、薄い膜になる状態

<1次発酵>
 丸く整えて1次発酵の準備をします。発酵容器には、ビニール袋やボールにラップをするなど、乾燥させないような状態にしていれば大丈夫です。

捏ね上がりの状態。
 『ところで、発酵時間に悩みませんか?』
 本には、1次発酵は60分で、約2倍になるまで・・とよく書かれていますが、実際には2時間経っても2倍にはならなかったり、反対に30分で2倍になったりと、思い通りにはなりません。そして、一口に2倍と言っても、それは、直径?それとも体積?なんて考え出すと頭が痛くなります。(ちなみに、理系の主人曰く、直径が2倍なら、体積はその3乗の8倍になっているそうです)。
 発酵が上手くいかない原因は、様々です。室温が高すぎたり低すぎたり、小麦粉が古くて状態が悪かったり、イーストが古かったり、湿度が低く生地が乾燥してしまったり、反対に湿度が高くて水分過多になり生地がべちょっとしたり、など考えると切りがないですよね。
<フィンガーテスト>
 発酵時間は生地の状態を見て触って確認し、判断した方が無難です。そこで我が家では、フィンガーテストで判断します。
 膨らんだなと思ったら、生地の表面に軽く粉を振り、指を第二関節くらい差し込みます。抜いたときに指の跡が軽く付いたら1次発酵終了です。
 
 発酵している間は、頻繁に生地の様子を見ます。そして基本は1次発酵60分とします。その日の室温が高い時はいつもより発酵が早い、低い時は長い、ということを頭に入れておきます。発酵容器が28℃以下の場合は、お湯を張ったコップなどを入れ、容器内の温度を高くします。オーブンに発酵機能があれば、同じ温度を保ちながら発酵できるので一番よい方法です。

フィンガーテストをしているところ(ちょうど良いくぼみ)
ちなみに、良くない発酵として、以下の3通りが挙げられます。
 ① 発酵不足:指を刺しいれたときに、弾力が強く、指の跡が押し戻されるようだと発酵不足です。もうしばらく発酵させます。しばらくしたら、フィンガーテストを再度行います。
 ② 発酵過多:指を刺しいれたときに、弾力がなく、差し込んだだけで生地中のガスが抜けていくようなら発酵しすぎです。すぐに成形の準備をします。
 ③ 過発酵:生地にアルコール臭を感じたら、過発酵です。すでに発酵しすぎです。そのまま作業を進め完成には至りますが、味や風味が落ちます。捨てるのもいいですが、もったいないなぁと思われた方は、ピザ、ラスクなど濃い味付けにしたりパン粉にしたり、皆さん工夫して使って下さいませ。
(続く)