展覧会向けフュージング画大詰め

2023年度のうしく現代美術展にはフュージング画1枚を出品する予定ですが、その画題には地元龍ケ崎市に現存する明治時代からの商家を採り上げました。建物自体は華美なところはなく普通の古い木造ですが、静まり返った寂しい商店街の佇まいと合わせて、美しいと思いました。

小さな雀をガラスの粉を乗せることで表現しています

商家の前には雀が群がって、少しだけ動きを表現しています。

非現実的な虹色で彩色しています

非現実的な虹色で彩色しています

グリザイユで細く輪郭線を入れ、これも焼成しています。輪郭を描くことでステンドグラスのような効果も出ます。ですので、この絵画技法を「無鉛ステンドグラス」と呼んでいます。

2023年展覧会向けフュージング画の制作

毎年うしく現代美術展にはフュージング画(無鉛ステンドグラス)を1点出品しています。いつもぎりぎりまで方針が定まらず、切羽詰まって制作に入る感じです。ことしも、ようやくデザインが決まり、ガラスの加工に入っています。

うしく現代美術展向けのフュージング画(無鉛ステンドグラス)の制作開始

幅80cmの透明の板ガラス上にカラフルなガラスフリットを載せ、専用の電気釜で焼成します。何回も何回も、様子を見ながらフリットを重ね焼成していきますので、材料代も電気代もかかります。展覧会後に売れれば問題ないのですけれど...

フュージング画小品3点制作

夏の展覧会(JGAAのグループ展)に向けて、小品を制作しています。横25smx縦40cmのフュージング画(無鉛ステンドグラス)パネル3種です。
図柄は、蔦、蝦夷桔梗、コスモスと秋の草花です(展覧会が秋なので)。

フュージング画の色付け。カラーフリットをスプーンで載せていきます

今回は、カラーフリット(ガラスの粒子)をベースガラス上に載せて焼成する、一種のガラス胎七宝の技法を使います。

1回目の焼成

1回目の焼成

多くのガラスが焼成前は無色なので、地味な感じですが、焼成後は鮮やかに発色します。

焼成後、赤が鮮やかに出ています

焼成後、赤が鮮やかに出ています

色乗せと焼成を3回繰り返して、深みのある色を作ります。その後、顔料で輪郭線を描き、これも低温で焼成して定着させます。

輪郭焼成後

輪郭焼成後

 

フランスからのお客様と水墨画教室

旅行でフランスから来日している方々に水墨画をお教えしました。工房にあったクリスマスローズ、カーネーション、薔薇、シンビジュームなどを題材に、お一人4枚ほど仕上げて帰られました。良い思い出とお見上げになればいいなあと思います。

初めて墨をする皆さん

初めて墨をする皆さん

フランス語は妻が通訳

フランス語は妻が通訳

筆さばきが上手いです

筆さばきが上手いです。絵画の経験があるのかもしれません。

完成品を持って記念撮影

完成品を持って記念撮影

また是非お越しください。

ペガサスと少女のステンドグラス:組み立て中

メルヘンチックなステンドグラスパネル「少女とペガサス」はガラス整形が終わり、組立工程に入っています。

まず、各ピースの切断面を包むように銅テープを巻き付けていきます。

ガラスピースに銅テープを巻き付けています

このピースを、組み立て用の台紙の上に並べていきます。この工程はジグソーパズルそのものです。

台紙の上にガラスピースを並べてていきます

台紙の上にガラスピースを並べてていきます

作品の全容が、徐々に明らかになっていきます。ワクワクします。

組み立ては、ハンダを使って銅テープの部分にロウ付けをして進めます。最初に点止めという仮ハンダをして、ピースがズレないようにします。

組み立ての最初はハンダによる点止めです。

組み立ての最初はハンダによる点止めです。

ハンダ付けは、銅テープを巻いてから数日以内に行います

ハンダ付けは、銅テープを巻いてから数日以内に行います

銅テープ巻から、ハンダ付け完了まで数日で終わらせるスピード仕事です。

ステンドグラス「ペガサスと少女」

上は完成写真です。作品の詳しい解説はグラス工房達風のサイトで御覧ください。

 

ペガサスと少女のステンドグラス:研磨中

ほぼ正方形のステンドグラスパネル「少女とペガサス」はガラスカットが終わり、周囲を研磨しています。ルーター(グラインダー)という回転砥石で、切断面をなめらかにします。

「ペガサスと少女」ガラスピースの周囲を研磨中

「ペガサスと少女」ガラスピースの周囲を研磨中

ガラスの切断面をぐるりと研磨すると、程よくザラツイた表面になり、この後の工程(銅テープ巻き)が楽になります。

研磨の終わったピースたち

研磨の終わったピースたち

 

ペガサスと少女のステンドグラス:ガラスカット中

少女とペガサスを題材にしたステンドグラスはガラスカット中です。全440ピース、細かくて大変です。

今回、緑のガラスが多く、数種類用意しています。

緑のアンティークガラス

少女のドレスは緑がかった青

少女のドレスは緑がかった青

黄緑は葉の一部です

黄緑は葉の一部です

アンティークガラスが手に入りにくく、思ったような配色にならないのですが、できるだけ達風らしいモノトーンを守りたいと思います。

切り終わったガラスはコンテナで管理します

切り終わったガラスはコンテナで管理します

翼のピースは似たような形が多いので、型紙の上に乗せて保管します

翼のピースは似たような形が多いので、型紙の上に乗せて保管します

ガラスカットはほぼ終了したので、ルーターで周囲をなめらかにしてから、銅テープを巻きます

ペガサスと少女のステンドグラス制作開始

ペガサスを題材にしたステンドグラスの制作がスタートしました。

ギリシャ神話でペガサスといえば、それを操るのはベレロポーンという男神ですが、今回は趣向を変えて少女が乗っています。これはこれで可愛らしいと思います。かつてフルートを吹いている少女が乗っていましたが、同じモチーフでは芸がないと思い変えました。

「ペガサスと少女」の型紙製作

原寸の型紙です。縦横60cm強です

原寸の型紙です。縦横60cm強です

ほぼ正方形に近い60cm超の作品です。今回はグリーン主体の配色で行く予定です。ただ、世界情勢の影響で良いガラスがなかなか手に入りにくくなっています。かつては、同じ緑でも10種類以上のラインナップがあり、微妙なグラデーションや調子付けができましたが、今手に入るのは数種類です。その分線画の面白みで魅せるしかないですね。

 

小型ステンドグラスランプ「緑のベルランプ」制作

端材ガラスの有効利用を目的に小型のランプを量産しています。

今回はベル型をした直径19cmのシェードです。端材とは言え、材料のガラスは一級品です。ステンドグラスランプは小さくても、部屋の片隅にあっても存在感が有るので好きです。

緑のベルランプの紙製モールド

ランプシェードは六角系のベル型です。まず、厚紙でモールドを作り、デザイン(図面)から制作に入る間の確認作業に使います。

ガラスピースはすべて台形ですので、カットは楽です。カットしたガラスにコパーテープを巻いて、組み立てに入ります。

「緑のベルランプ」ハンダ付け中

完成写真が下です。詳しくはグラス工房達風のサイトで。

「緑のベルランプ」完成品

小型ステンドグラスランプ「青のカラフルランプ」制作

高さ30cm足らずの小型のテーブルランプを作っています。中途半端に余ったガラスを利用します。余ったとは言え、ガラス素材は一級品です。ステンドグラスランプは小さくても、部屋の片隅にあっても存在感が有るので好きです。

ボール紙で作ったモールド

ランプシェードはコロッとしたラグビーボールのような楕円形です。まず、厚紙でモールドを作り、デザイン(図面)から制作に入る間の確認作業に使います。

ガラスピースはすべて台形ですので、カットは楽です。カットしたガラスにコパーテープを巻いて、組み立てに入ります。

1個あたり30ピースを使います。その全てにコパーテープを巻きます

1個あたり30ピースを使います。その全てにコパーテープを巻きます

今回、ブルーベースの数色のガラスに加え、オレンジや黄色などの補色を差し色で加えています。小さいので、せめて色で華やかさを出そうと思っています。

表のハンダ終了

表のハンダ終了

ハンダ付けは、先程のモールドにガラスピースをセロテープで仮止めしながら行います。小さいですが、丸くて安定しないので、ハンダ付けは簡単ではありません。

下の写真が、完成した「青のカラフルランプ」です。販売対象ですので、よろしくお願い致します。

ステンドグラス「青のカラフルランプ」