フュージング画でシャムネコ

工房のシャムネコ「むぎ」を写生して、80cmの大判のフュージング画にしています。

原画は、水彩画です。「むぎ」がうつむいているところ

原画は、水彩画です。「むぎ」がうつむいているところ

原画は、猫の色をオレンジと黄色のツートンにしています。こんなシャムネコいませんけどね。

80cm×40cmの大判の板ガラスに、色ガラスのフリットを載せて、フュージング画にしています。

4回目の焼成かな。色数が増えて、幻想的な雰囲気を漂わせています

4回目の焼成かな。色数が増えて、幻想的な雰囲気を漂わせています。

猫のふんわりとした雰囲気を、作品に出したいです。

 

千葉萌陽高等学校 アート&クラフト部のフュージング作品 焼成


 8月2日に出張講習をしてきた、千葉萌陽高等学校 アート&クラフト部のフュージング作品の焼成をしました。
 数日前、ガラスカットと接着剤による仮止めがなされた作品9枚が、宅配便で送られてきました。そのフュージングタイルを、工房の窯で約10時間かけて焼成しました。

             <焼成前>

             <焼成後>
 1枚15cm四方の可愛らしいフュージングタイルが9枚出来上がりました。

 早速、宅配便で完成品を千葉萌陽高等学校に発送しました。

グラス・フュージングの出張教室:千葉萌陽高校 編

JUGEMテーマ:ステンドグラスとフュージング
 今日は、千葉県香取市佐原にある千葉萌陽高校に招かれて行ってきました。この高校のアート&クラフト部での特別講習です。
 この部では、ガラス工芸の他にも、ペーパークイリングという紙工芸やタイルアートなどにも取り組んでいます。この夏は各自1個ずつフュージングタイルを制作するというのが課題のようです。
 午後1時から、ガラスカットのテクニックを中心に、3時間ほど指導させてもらいました。
 ちなみに、千葉萌陽高校は、明治34年佐原淑徳高等学校として創立した、伝統ある高校です。小江戸と呼ばれる江戸情緒の残る水郷佐原の中心部にあります。弊社工房から車で1時間強の場所です。近くには、有名な香取神宮もあります。
 講習に先立ち、数点の私のフュージング作品を見てもらいました。その後、早速カットの実演です。
 

 部員の皆さんは、ガラスカットは初めてではなく、オイルカッターの基本的な使用方法は心得ていました。ですので、ブレーキングプライヤーの使い方と、カーブのカット方法を説明しました。周りで見ている生徒さんは、とても静かです。

 次に、各自の課題作に移ります。デザインは、ほとんどの生徒さんが私のサイト(ネットスクール達風)のパターン集からダウンロードしたものでした。写真手前がコスモス、奥がイルカです。一人だけ、オリジナルの表札をデザインしていました。

 その後、各テーブルを廻って切り方を教示したのですが、かなりの確立で失敗してしまい、冷や汗モノでした。
 
 写真、奥中央にいらっしゃるのが、顧問のI先生です。いつもは姦しい生徒さん達が、今日はとても静かだと仰っていました。
 切ったガラスは、15cm四方のベースガラス上に並べ、糊で仮固定します。これを後日、弊社工房に送ってもらい、こちらで焼成する予定です。今日は、最後まで見届けられませんでしたが、夏休み中は連日部活があるそうなので、ほどなくカットは終わると思います。
 完成すると下の写真のようなフュージングタイルになります。

 今回初めて、高校に出向いての出張講習をさせて頂きました。顧問のI先生がインターネットで私を見つけてくださり、依頼をしてくださいました(I先生は5年以上のフュージングのキャリアをお持ちでした)。
 とてもよい経験をさせていただきました。感謝しています。
 顧問のI先生のブログです。今回の講習の模様が、別の視点で紹介されています。
http://inocoro.jugem.jp/?eid=61
 今日の生徒さんの中から、ガラス工芸を本格的に志す人が一人でも出てくれればいいなあと思います。

障がい者施設・出張フュージング教室:新作完成

  1ヶ月に1回、市内の身体障がい者施設にて、ボランティアで、グラスフュージング教室をやっています。
 今回は、半年かけて皆で作ってきたパネル作品「ほおずき」が完成しましたので、ご報告します。
 下の写真は、施設の利用者さんが丹念に並べた小さなガラスピースを、ベースガラスと共に焼成するところです。この作業は、工房に持って帰って行いました。

 完成した作品です。 作品は、縦60cmほどあります。木製の額に入れ、壁面に展示可能にしました。原画は、利用者さんのKさんの描いたスケッチです。

この作品に関わったメンバーと記念撮影です。

 そして、この日からまた新たな作品に取り掛かります。手を自由に動かせない方もいますが、それでも真剣にガラスピースの配置をして行きます。

 このパネル作品以外にも、フュージングアクセサリーや箸置きなどの小物を作るメンバーが居ます。
 小物の焼成は、施設にある窯で行います。約1時間の焼成で、目の前で融けていくので、楽しいです。皆、できた作品を色々な人にプレゼントしているようで、沢山のリクエストをかけている人もいます。

出張教室の作品完成

月に一度の、障がい者施設への出張教室では、フュージングパネルとアクセサリーの制作をしています。
 今日、約半年がかりでガラス片を並べて作ったフュージングの大作が仕上がり、施設でお披露目しました。ガラスを並べるのは、利用者さんでしたが、一旦私の工房で預かり、焼成したので、完成品を見るのは皆さんにとって初めてです。
 美しい作品に、皆喜んでくれました。
施設責任者の方も、飾る場所を検討してくれています。

題して「紫陽花」です。
写真ではその鮮やかさがわかりにくいですが、ガラスの涼やかな輝きが印象的なパネル作品となりました。
額縁を右側から支えている方が、根気よさを発揮して、制作を主導してくれました。 
 次の制作課題は「ほおずき」です。この作品の原画も、同じ施設の利用者さんが描いたものです。それをプリンターで拡大して、型紙にしています。

まるで将棋でもさしているように、二人で黙々と作業しています(リンゴを食べながら)。

完成作品のおひろめ

 出張フュージング教室で、半年かけて皆で作った作品が、額に入り、お披露目です。
 こうして写真で見るとそんなに大きく見えませんが、ガラスの厚さが約8mmで、額に入ると10kgほどあり、重量感たっぷりのガラスパネルです。 
 左側の女性は、普段は車椅子なのですが、この写真撮影のとき、頑張ってと立ち上がりました。立っている姿を、この1年で初めて見ました。完成を感激してくれていたようです。

 写真左側のオレンジのシャツを着た少年が、全ての作品の原画を描いています。わずかに動く右手の指先だけで描くのですが、写実的で、お世辞抜きにとても上手です。

 次の作品は、紫陽花です。私も、だんだんと要領が掴めてきて、専用の作業板を作り、最初から原寸大のガラス板を敷いて、その上に色ガラスを配置してもらう方法にしました。ガラス板の下には、原画が敷いてあるので、作業者は位置が合わせやすいです。

 大作を制作している横では、若い女性達が、フュージングアクセサリー作りに興じています。
 どうも、こちらの課題の方が人気が高いようで、うわさを聞きつけて、わざわざこの教室のある月曜日に、利用日を移してきたという女性もいます。

 こうなってくると、この取り組み、1回の教室の準備に数日を要するのですが、楽しさは増してきました。

大作の完成間近

施設への出張教室で、ここ数ヶ月制作を続けてきた大作が、もうすぐ完成します。
施設利用者さんたちに、名刺大のガラスタイルを全部で54枚、こつこつ作ってもらってきました。
様々な色のガラスチップを、決して自由ではない肢体を使って透明ガラス板に載せて、一枚一枚焼いてもらいました。
下の写真は、そのタイル全部を並べ、色合いの最終チェックをしているところです。10名以上が取り囲んで、意見を出し合っています。写真右の絵が原画です。

今度は、このタイルを大きなガラスシートに載せて、工房の窯で焼き上げます。下の写真は、焼く前の様子です。

下の写真は、8時間かけて焼き上げた直後です(釜の中)。まだ少し熱いです。
ばらばらだったタイルがくっつき、61×46cmの大きなフュージング絵画になりました。

焼きあがった作品です。とてもビビッドで、明るい気分になる作品です。これをご覧の皆様は、この絵が何に見えますか?

ヘッドセット・ポインティングツールの試作

 身体障がい者施設に、「フュージングガラスの会」で出向くようになって半年以上になりますが、上肢・言語の両方が不自由なAさんのために、今回はヘッドセット式のポインティングツールを試作して持っていきました。
 原理は、レーザービームのような細い光を出す小型の懐中電灯を頭につけて、それで、卓上や壁などの一点を指し示す「ポインター」です。ただ、市販のレーザーポインターは、光が他人の目に入った時危険なので、今回はLED電灯を改造して柔らかいピームになるようにしました。
 材料は、ホームセンターで入手したLEDヘッドセットライト、工作用の凸レンズ(百均ショップ)、フィルムケース、紙、プラ板です。
ヘッドセットの材料一式
完成品は、下の写真です。右側の紙の筒を出し入れしてピントを合わせます。
試作品の完成
 今日、これをAさんと職員さんの協力の下、頭に付けさせてもらいました。
利用者さんに付けてもらっています
 早速、ガラスフュージングのピースを、光で指し示して選んでもらう作業です。


 装着初日にもかかわらず、上手に差し示しています。上の写真では次に、この選んだピースを、名刺大の左のガラス上の置きたい位置を指し示すことで、移動させます。
 このポインターを持っていくにあたり、別に50音シートも持って行きました。光でひらがなを順に指し示すことで、「言葉による意思伝達」が出来るようになるのでは、と思ったからです。
 Aさんが普段家庭などで、どのような意思伝達方法をとられているのかまったく知りませんので、お節介だったかもしれませんが、Aさんにとって、なにか新しい可能性が広がるといいなあ、と思っています。

出張教室 ~アート作品プロジェクト第2弾~

 身体障がい者施設への無料出張教室は、「フュージングガラスの会」として、施設内でも定着しつつあります。
 私自身が考えるこの取り組みの目的は、「種々の障がいをお持ちの利用者さんが、自由になる身体の部分を活かして、気持ちよく自己表現をしてもらうこと」です。
 自己表現とは、アートの真髄でもあり、また人として生きる重要な意義のひとつであると思うからです。
 ですから、利用者さん個々の、「自由な部分」とその程度を把握して、それに応じたコミュニケーション方法と、動作補助具の工夫が不可欠だと感じています。
 さて、コミュニケーションの基本は食にあり、ということで(誰がそんなこと言ったっけ?)、今日は施設の食堂に招待され、皆さんと一緒に昼食をとりました。今日のメニューは、たぬきうどんセットです。いつも、食堂の横を通るといいにおいがしてきて、興味をそそられていたのですが、はれて中で食事を取ることになりました。
 いつもは私が作業のお手伝いをする立場ですが、この時ばかりは、慣れている皆さんに世話を焼いてもらいました。

 午後から、アート作品プロジェクト第2弾が始まりました。今回は具象画をガラスの粒で、点描表現します。と、簡単に書きましたが、このアイディアに行き着くのにここ数日悩みました。
 原画は、利用者さんの一人K君のデッサンを基に、コラージュで大きな絵に再構成してつくりました。野菜や果物いっぱいの稔りの絵です。

 ちなみにK君は、賞を取るほどの腕前です。
 この絵を54分割して、その名刺大のガラスタイルを皆さんにこつこつと作ってもらいます。
下図はベースガラスの上に粒状の色ガラスを配置してもらっているところです。原画のお手本は一応ありますが、配色は基本的には個々の自由です。

 上体と言葉が不自由な利用者さんのために、今回簡単なコミュニケーションツールも用意してみました。帽子のツバに鉛筆を付けただけなのですが、これで指示板の特定の部位を指し示して、意思を伝えてもらいます。試行の結果、指示板は立派なものを用意するのではなく、その場でメモ帳に選択肢を書く即応性のあるものが便利であることがわかりました。
 特に、YES/NOや1~3の「選択」だけでなく、ベースガラスの概形図をメモに描いて、ガラスを置きたい部位を指し示してもらうという、曖昧情報の伝達が出来たことが良かったです。

 このツールは、実は若い職員さんのアイディアです。彼らのこのフュージングガラスの会への期待と協力も嬉しい限りです。

出張教室 ~作品展示~

 無料出張教室(フュージングガラスの会)での共同制作作品2点が、作品展に展示されました。場所は、市の福祉施設の玄関ロビーです。アート作品2点(写真左側)と、フュージングガラスの会の概要説明がされています。


ロビーには、フュージングガラス以外にも、施設の利用者さんが制作した絵画や工芸作品などが展示されています。どれも、レベルは高いです。

出張教室の次回以降の課題作は、K君(下写真)が原画を担当します。この原画を基に、ガラス作品を皆で制作していく予定です。