k.fukuta の紹介

ステンドグラスとフュージング画の注文制作工房「ステンドグラス工房達風」を主宰する福田勝司です。 写真満載のサイトはhttp://www.tappu.com

ステンドグラス「少年と馬と猫」:ガラス整形も終盤

ステンドグラス作りも、折り返し地点です。

カットを終えたガラスは、ルーターで周囲をざっと研磨します。そうすると、断面が少しざらっとして、この後のコパーテープが着きやすくなります。

ルーターで断面をぐるっと研磨します

ルーターで断面をぐるっと研磨します

ステンドグラス専用のルーターで、断面を押し付けるようにして研磨します。ルータをかけたら、型紙に重ねて形を確認します。

ガラスは、型紙より若干小さ

ガラスは、型紙より若干小さくなっていることを確認します。

人間と馬と猫のピースは、少し浮き出て見えるように、白グリザイユを塗ります。グリザイユは、昔からあるステンドグラスに使われる顔料です。

裏に白グリザイユを塗っているところ。

裏に白グリザイユを塗っているところ。

バジャーという刷毛で伸ばします。

バジャーでなでるように、グリザイユを伸ばし

バジャーでなでるように、グリザイユを伸ばし、刷毛ムラもなくします。

この後、窯で焼き付ければ、ピースの整形は終わりです。

整形の完了した少年のブーツや馬の体のピース

整形の完了した少年のブーツや馬の体のピース

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ステンドグラス「少年と馬と猫」:ガラスカット中

1メートル超の比較的大判のステンドグラスを作っています。昨年末に届いたガラスを、切っています。みなアンティークガラスですので、切り易く、仕事がはかどります。

型紙をピースごとに切り分け、さらにガラスの種類で分

ガラスカット用の型紙は、ピースごとに切り分け、さらにガラスの種類で分類します。

濃い緑のガラスは、少年のブーツです。

濃い緑のガラスは、少年のブーツです。

これは、猫の体の部分

これは、猫の体の部分

切り終わったら、ルーターで周囲を研磨し、絵付けです。

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ステンドグラス制作者の「ぎやまん草子(その38)」「親切」

ヨーロッパ人は、親切心を行動に移すのが、日本人に比べてスマートだと思います。まあこれは、私とその周辺だけの意見かもしれませんが。私はフランスを中心にヨーロッパには数回行き、妻もフランスに4年間ほど留学し、周辺各国にも滞在経験があるので、互いに話すことです。

例えば、路上やマーケット、地下鉄などで、困っている人に対し周囲の人が実に素早く手を貸します。印象に残っているのは、10年ほど前、パリの地下鉄。座席に座っていた高校生くらいの数名の少年達です。やにわに立ち上がり扉に殺到したかと思うと、重そうなカートを持って乗車しようとしてきた黒人の女性に対し、ある少年は扉を抑え、ある少年はカートを持ち上げて助けていた光景です。女性が無事乗り込むと、何事もなかったかのように少年たちはまた話し出しました。学校や家庭でそのように躾けられているのかもしれませんが、実に気持ちの良い光景でした。

これが東京の地下鉄ならどうでしょう。
「今乗ろうとしているあの人、重そうな荷物を持ってるなあ
「でも何歳くらいだろう、お年寄りじゃないし、
「声かけたら、変に思われるだろうなあ
「あっ、カートの車輪が引っかかりそうだ、頑張れ
「良かった、間に合った、乗れた」
これは、押し黙ったまま微動だにしない日本人Aの心の中です。行動に移せないなら、いっそ無くてもいいか、こんな「思い」。

スペインに仕事でよく出かける友人Mも、スペイン人は本当に人懐っこくて親切だと言います。
地図を持って道に立っていると、必ず誰かが言い寄って、探していた目的地まで案内してくれるそうです。日本では、そのような人あまり目にしません。外国人が道を探していたら、話しかけられないように、かえって距離を置くくらいです。

また友人Mは、こうも言います。初対面でも、少し馴染むと、上げ膳据え膳でもてなしてくれて、肩に手をまわして今日はウチに泊まっていけと言ってくれる。南ヨーロッパ人は特に陽性だというのもあるでしょうが、親切や思いやりが道徳ではなく、習慣になっているところが素晴らしいです。

オリンピックの東京招致の時流行った日本人の「おもてなし」の精神は、接客のプロに限られたものではないでしょうか。日本のホテルや旅館業、鉄道員、量販店の店員など、確かに心配りがきめ細やかです。完璧主義といってもいいほどです。ですが、一般ピープルに関しては、さっき言ったように日本人よりヨーロッパ人の方が一枚上手でしょう。

そんなヨーロッパでも、逆に頂けないのが、公共機関の窓口。どんなに行列ができていても、のんびりマイペース。業務終了の時が来れば、冷たく閉める。ファストフードの店員も、あまりイイ感じではありませんでした。こちらがアジア人だからでしょうか。

おまけで、バックライト付き木製スタンドがついてきます。なんて、親切なんでしょう。

おまけで、バックライト付き木製スタンドがついてきます。なんて、親切なんでしょう。

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ステンドグラス「少年と馬と猫」:材料のガラス届く

このステンドグラスも、型紙の裁断が終わり、各色の面積がおおよそ掴めましたので、材料の板ガラスを仕入れました。

緑から青にかけてのモノトーンのデザインですが、微妙に異なる12種類ものガラスを用います。今日は、そのほとんどが問屋から届きました。全て、ドイツのランバーツ社が製造したアンティークガラスです。アンティークと言っても、”宙吹き”というアンティークな技法で手作りした新品のガラスです。ステンドグラス専用に、適度な泡とライン模様がテクスチャとして入っています。

板ガラス自体が手工芸品ですので、見ていて飽きない美しさです。これから切り刻むのがちょっともったいないです。

ランバーツ社のアンティークガラス

ランバーツ社のアンティークガラス

ステンドグラス制作者の「ぎやまん草子(その37)」「プライド」

カタカナ言葉には便利なものが多いですが、「プライド」というのもなかなか使い勝手がいいですね。他人から「こうした方がいいんじゃない」と言われたとき、それを断る時に便利な言葉です。「私のプライドが許しませんので、それはできません」てな感じです。

いやそんなことは無い、プライドの日本語訳は「誇り」だから、断るなどと言うネガティブな用途には滅多に用いないはずだ。との反論もあるでしょう。確かに私が昔、メーカーに勤めていた時「日本のメーカーのプライドにかけて、品質は妥協しない」との気概はありました。この場合、【プライド】=「誇り」が妥当な和訳だと思います。

しかし、私の人間観察の中で耳にするプライドは、およそ「誇り」とはかけ離れたものが多いように思います。実例を挙げながら、適当な和訳を添えてみたいと思います。

・「俺は今まで女房に頭を下げたことはない。強いて言えば男のプライドかな」
【プライド】=素直に謝れない弱さ、繕われた体裁(テイサイ)のこと

・「老後は、プライドにかけて子供の世話にはならない」
【プライド】=最後には破綻する見栄、虚栄心のこと

・「手作業で30年やってきたプライドがあるんだ、今更自動機なんて使えるかよ」
【プライド】=硬直した思考回路のこと

・「学歴を誇る彼は、プライドが高く、決して同僚には教えを乞わない」
【プライド】=何の益も生み出さないエリート意識、選民意識のこと

・「俺には職人のプライドがある、素人の指図は受けねえよ」
【プライド】=他を寄せ付けない頑固な性格のこと

・「部下の前で叱責するなんて、課長としてのプライドが傷つけられた」
【プライド】=取るに足らない立場、外面のこと

・「地域に貢献して30年。これが私ども△△社のプライドです」
【プライド】=思い込み、独りよがりのこと

・「関東人はプライドがあるから、買物では値切らない」
【プライド】=恥ずかしがり屋の性格のこと

・「元々はもっと大きな造り酒屋で、今でもそのプライドだけは捨てません」
【プライド】=古き良き思い出、または先人の呪縛のこと

・「あいつ、変わり身も早いし他人に取り入るのが上手いな、プライドが無さすぎだよ」
【プライドが無い】=屈託が無く、羨ましい性格のこと

どうです、プライドって便利な言葉ですよね。カタカナ言葉特有の曖昧さ無責任さがあって、
「本音は言えないけど、なんとか良しなに私の心をくみ取ってくださいな」みたいな甘えを、硬派でポジティブな雰囲気にすり替えることが出来ます。今一歩成長できない己を正当化したいとき、是非使ってみてください。

ステンドグラス「狭量な猫」

ステンドグラス「狭量な猫」
「プライド」なる言葉を狭量な自分の隠れ蓑に使いたくないですね

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ステンドグラス「少年と馬と猫」型紙制作

ステンドグラスのオーダーメイドで、「少年と馬と猫」と題する作品がスタートしました。現在、型紙制作中です。

横74cm×縦1.1mの大きなパネルです。デザインの雰囲気は、ナルニア国物語の世界観をだそうと思っています。

ナルニア国物語の5巻「馬と少年」をモチーフにしています。ですので、馬はブレー、少年はシャスタに仮託していますが、絵と物語の内容は、あまり関係ありません。ネコは、創造主アスランの化身ということです。

ステンドグラス「少年と馬と猫」の型紙

ステンドグラス「少年と馬と猫」の型紙

緑から青のガラスを基本とした、モノトーンの画面構成を考えています。

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第21回 うしく現代美術展 学校観賞会行われる

うしく現代美術展では、毎年、牛久市内の小学5,6年生が、課外授業として観賞に来てくれます。私達出展作家は、ローテーションで説明員として会場につめ、子供達相手に美術談などします。しかし、現代アートは全般に難解で、小学生たちにどれだけ伝わったか、良くわからない世界です。

私の出品は、フュージング画の絵皿10枚

私の出品は、フュージング画の絵皿10枚

昨年までは、中学生も対象で、全市立中学の生徒さん達が来てくれていたのですが、今年から小学生のみに対象を絞り込みました。

レポートを提出しなければいけないようで

彼らはレポートを提出しなければいけないようで、キャプションを一所懸命読んでくれます。

私が小学生の時もそうでしたが、絵が好きだからと言って、なんでも描きたいというわけではなく、描きたい対象は限られていました。私の場合、小1,2年は鳥や動物、3,4年は爬虫類、5,6年は城や寺などの建物でした。そのような話を今の子供たちとするのは、楽しいです。基本的には、同じですね。

子供達から質問があると、嬉しいものです。

子供達から質問があると、嬉しいものです。

子供達からの質問で一番多いのは、ガラス・フュージングの技法について。特に、色ガラスの定着とか整形についてでした。次に、絵のモチーフ。でも、この時は5年生だったので、禅の「悟」について話そうにも、その禅も、悟りもまだ教わっていない言葉だったようで、彼らちんぷんかんぷんでした。仕方ないので、十牛図の牛をお金に例えて、「最初は追い求めるけど、最後は要らなくなるんだよ」と適当な説明をしておきました。

ちなみに、十牛図の説明はこちら

子供達と、わいわいがやがや、楽しいひと時でした。

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ステンドグラス制作者の「ぎやまん草子(その36)」「夢」

日本人宇宙飛行士が...オリンピックで金メダルを取ったアスリートが...海外で活躍するサッカー選手が...「諦めないでください。続けていれば夢は絶対に叶います。」と世の子供たちに贈るメッセージ。美しいですね。有難いですね。励みになりますね。流石、トップに登り詰めた方が仰るだけに、説得力ありますね。

ッて、本当に?私は全く納得がいきません。いや逆に、無責任な言葉に聞こえてならない。のは、私がへそ曲がりだからでしょうか。だって、あなたに負けて涙をのんだアマタの人々だって、別段諦めてないし、下手すりゃあなたより努力していたかもしれない。そんな、何百、何千という人々に失礼と言うか、なんというか。

宇宙飛行士も金メダリストも、数年に1人だけが成れる言ってみれば定員制ですよ。努力していても手に入らない人が大多数ですから。子供には正確にその現実を教えてあげましょうよ。

高校の数学の時間に習った「必要十分条件」と言う言葉を覚えていますでしょうか。論理学の基本です。「諦めないで努力し続ける」と言うことは、言ってみればトップになる為の「必要条件」ですよね。必要不可欠な事という意味です。でも「十分条件」ではありません。「諦めない」だけでは不十分なことは、少し落ち着いて考えれば、明らかです。トップになるための十分条件をあえて挙げるとすれば、①諦めずに努力し続けること以外に、②ずば抜けた才能、③メンタリティー、④人脈、⑤資金力、⑥運とか...もうたく出てきます。最初に紹介したメッセージ「諦めないでください。続けていれば夢は絶対に叶います。」が、十分条件の文体なので、私は気になっていたんです。

子供に限らず人が夢を持つことは大切なことだと思います。夢を持って生きている人はきっと幸せです。ですがここで言う夢とは(目標と言ってもいいですが)、将来のお仕事のことと限定しておきます。その道のプロになることです。趣味の範疇のお話は除外しておきますね。

小中学生の時は、その夢にまっしぐらでも良いと思います。ですが、高校生になったら、少し落ち着いて、実現性を考える必要があると私は思います。そして、いつか①夢の拡大解釈をしなければならない時、②諦めなければならない時、が来るかもしれないと、覚悟しておく必要があると思います。これは、夢を追い続けたがために人生が破綻してしまった、などということにならないためです。特に前者の「夢の拡大解釈」は、敗北感も少なく、またそれまでの経験を活かせる点でお勧めです。

実例を挙げるならば、プロサッカー選手を夢見て頑張ってきても、25歳ぐらいでプロに成れていなかったらどうします。その時、自分の夢を「サッカーに関係する仕事に就く」と言う風に拡大解釈して、サッカー用具の職人に転職するとかです。あるいは、画家を目指して美大を出たが、25歳時点で絵がさっぱり売れなかったらどうします。目先を変えてステンドグラス作家と言う、比較的競争相手やしがらみの少ない分野にシフトするという手もあります。ちなみにこれ私の経験に近いです。

夢を変更する時、なるべく競争の少ない、定員などの人数制限が無いものを選ぶことも、コツの一つだと思います。夢は、硬く小さくしないで、柔らかく大きく、が良いのではというお話しでした。

フュージング画「高台の料理店」

フュージング画「高台の料理店」
私の小学生の時の夢は、コックになる事でした。その後、夢はどんどん変化して、今日に至っています。ですが、未だに料理屋をやる夢は無くしていません。

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第21回 うしく現代美術展の設営をしました

今日は、うしく現代美術展の設営日です。朝9時から会場づくりが始まり、幟の設置、作品展示、開会式、内覧会、親睦会と19時まで、スケジュールぎっちりでした。

会場の 牛久生涯学習センター

会場の 牛久市 中央生涯学習センターには幟がはためいています

ひたち野うしく駅にも横断幕を設置

ひたち野うしく駅にも横断幕を設置

会場づくりは、出展作家と美術業者の共同作業です。年々、力仕事がきつくなってきます。公の作業の合間、自分の作品も開梱して展示します。

今年の私の作品は、「十牛図」という10枚一組のフュージング画絵皿

今年の私の作品は、「十牛図」という10枚一組のフュージング画絵皿です

絵画の大作もほぼ展示し終わりました

他の作家の大作もほぼ展示し終わりました

午後4時から、牛久市長さんや偉い人をお招きして、開会式と内覧会です。内覧会では、作家が自分の作品の前で、説明をします。とても勉強になります。

内覧会の様子

内覧会の様子

うしく現代美術展は、牛久市近郊に住む芸術家50名が参加しています。絵画あり、彫刻あり、書、工芸ありです。明日から2週間、12/6(日)まで、開催しています。是非、見に来てください。

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片栗粉でアブラムシの駆除 ~ステンドグラス制作の合間に~

達風農園(我が家の家庭菜園)では、毎年、白菜の栽培では、アブラムシの害に悩まされてきました。まあ白菜だけでなく、大根や水菜でもなんですが。理系でもある私は、農薬全否定派ではありませんが、江戸時代以前の農民の知恵と苦労に思いを馳せ、ゲーム感覚で無農薬を追及しています。ですので、寒冷紗やピンセットでの補虫などで、今まで頑張ってきました。

白菜は10mの畝に16株植えています

白菜は10mの畝に16株植えています。寒冷紗は、ヨトウムシとダンコンサルハムシへの対策で、目を抜けてくるアブラムシには効果はありません。

例年では、ハクサイが結球する速度が、アブラムシの繁殖速度に勝っていたので、放置していても、結球内部は無事でした。ですが今年(2015年)は、11月の日照時間が少ないせいか、結球が遅く、アブラムシに芯まで汚染されつつあります。そこで、片栗粉を利用したアブラムシ駆除に乗り出しました。
これまで、牛乳を水で2倍に希釈したものを葉にかけて、アブラムシを殺すなどの試みはしてきました。数日あけて2回まくと、90%ほど殺虫できる効果がありました。ですが、適用出来る野菜は、我々が葉を食べない大根などに限られていました。それは、牛乳の腐敗臭が葉に残るからです。
葉を食するハクサイには牛乳を使いたくないので、(多分無臭であろう)カタクリ粉を水で溶いた液を散布しようと思います。殺虫原理は牛乳溶液と一緒で、溶液が乾くときに牛乳のコロイドや片栗粉(でんぷん)が、アブラムシの気門(呼吸をするための穴)を塞いで、窒息死させるものです。

 これから、2種類の方法で行った、片栗粉水散布の結果をレポートしたいと思います。2種類とは、(1)未加熱の溶液と、(2)一度沸騰させた溶液です。まず結論だけ先に書くと、こうなります。

・未加熱の片栗粉水では、30%程度の殺虫効果

・沸騰させた片栗粉水を追加散布したら、90%の殺虫効果←これは効く!


<未加熱の片栗粉水での殺虫実験>

1.溶液の作り方:水4リットルに、片栗粉大さじ10杯を溶かす。それだけ。

溶液は、いくら拡販しても、白濁しています。

溶液は、いくら拡販しても、白濁しています。

2.散布方法:園芸用品の散布器を使って、葉の裏にしっかり散布しました。溶液はノズルの先から、ちゃんと霧状に広がりました。アブラムシは、主に葉の裏側に付きます。全てのアブラムシに溶液が掛かることが大切ですので、葉を1枚1枚持って裏返し、丹念に散布しました。16株で所要時間30分。
数分放置するだけで、容器の底に片栗粉が沈殿してきますので、始終容器を振りながらの散布です。

噴霧器とペットボトルの溶液

噴霧器とペットボトルの溶液

3.2日後の結果:葉の裏を見てみると、しっかり乾いていました。ですが、殺虫率30%といったところでしょうか。ほとんど生きています。片栗粉は完全に乾き、白い粉になってところどころこびりついています。

乾いた片栗粉は、粉状にこびりついてい

乾いた片栗粉は、白い粉状にこびりついています。しかも、一部に集まって。ほとんどのアブラムシは元気に生きています。がっかり。

想像はしていましたが、未加熱の片栗粉溶液は、糊にはなっていなかったのですね。


<沸騰させた片栗粉水での殺虫実験>

いまさらですが、アブラムシの気門を塞ぐには、片栗粉が糊として広範囲に広まったまま固まる必要があると思います。そこで、水溶き片栗粉を沸騰させて、とろみをつけることにしました。つまり、片栗粉=でんぷんをα化(糊化)するわけです。
1.溶液の作り方:水4リットルに、片栗粉大さじ5杯を溶かす。コンロに掛け、沸騰させて、そこから3分煮続け、そして冷ます。実際には、1リットルの水で分量の片栗粉を煮て、その後3リットルの冷たい水で希釈しました。
片栗粉の分量が前回の半分に減りましたが、これは、これ以上濃くすると我が家の噴霧器ではノズルが目詰まりし勢い良く出なくなってしまうからです。これでも、ギリギリまで濃くしたのです。ですので、この濃さは、噴霧器(霧吹き)の性能次第と言えますね。

片栗粉は、最初、必ず冷たい水に溶かしてください

片栗粉は、最初、必ず冷たい水に溶かしてください

沸騰すると、透明になります

沸騰すると、透明になります

2.事前噴霧:かたくり粉水は、ゆるい粘性を持ち、噴霧器から出辛くなります。濃さを変えながら、噴霧実験をしました。ここで、割り出した濃度が、上記の値です。

溶液は粘性がありますが、どうにか噴霧器のノズルの先から出ます

溶液は粘性がありますが、どうにか噴霧器のノズルの先から出ます

散布後、fドライヤーで乾かしてみました。白い粉は出てきません。薄い糊の被膜となって、全面に定着しています。

散布後、fドライヤーで乾かしてみました。白い粉は出てきません。薄い糊の被膜となって、全面に定着しています。いい感じです。

3.実際の散布:要領は前回と一緒ですが、とにかく、ノズルから真面目に飛び散りません。写真では見難いですが、ちょろちょろと弱い水鉄砲のようにしか出てきません。それでも、アブラムシ全員が濡れるように、丹念に散布しました。16株で、所要時間45分。

葉1枚1枚を裏返して、ちょろちょろ出てくる溶液を、辛抱強く散布しました。

葉1枚1枚を裏返して、ちょろちょろ出てくる溶液を、辛抱強く散布しました。

4.3日後の結果:見事アブラムシは約90%死んでいました! 最初に散布した未加熱片栗粉の粉が白くまだ残っています。2回目の散布で出来たであろうでんぷん糊被膜は、目視では分かりません。多分透明被膜なのでしょう。死亡率が高いところから察するに、葉全体に被膜ができているものと思います。この糊被膜は、雨で濡れるたびに可逆的に液状化するので、生き残ったアブラムシも繰り返し糊の攻撃を受けて、徐々に減っていくものと期待します。

加熱片栗粉水を散布して3日後の白菜。多くのアブラムシが死んでいます

加熱片栗粉水を散布して3日後の白菜。多くのアブラムシが死んでいます

別の葉です。やはり、多くのアブラムシが死んで風化し始めています。

別の葉です。やはり、多くのアブラムシが死んで風化し始めています。しめしめ。


<まとめ>

沸騰片栗粉水の殺虫効果は、かなり高いことがわかりました。残念ながら、今回の2回の実験は、対照実験とはなっていません。何故ならば、沸騰片栗粉水は、未加熱の散布後、同じ葉への重ね散布だった(単独散布ではない)からです。
ですが、効果は絶大です。しかも、費用は約10円(片栗粉大さじ5杯+水4リットル)と激安。安全性も抜群です。他の野菜も、この方法でアブラムシ駆除したいと思います。皆様も、是非お試しください。

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