和風ステンドグラス「けやき」完成

大木を描いた和風ステンドグラス「ケヤキ」

大木を描いた和風ステンドグラス「ケヤキ」

珍しい、大木一本のみを描いたステンドグラスです。群馬県の個人からのご注文です。モデルの木は、茨城県下妻市の千勝神社の御神木です。巨大な欅をほぼそのままステンドグラスにしました。サイズも74cm×90cmと大判です。

※この作品の詳しい説明は、ステンドグラス工房達風サイトの作品集ページで。

ステンドグラスパネル「けやき」はテープ巻きの最中です

欅の木をどーんと真ん中に据えただけの実験的ステンドグラスパネル「けやき」は、ガラスカットが終わり、テープ巻きをしています。欅の伸びやかで細かい樹形がどれだけ表せるか、楽しみです。

けやきのステンドグラスは、ピースの周りに銅テープを巻いている最中

けやきのステンドグラスは、ピースの周りに銅テープを巻いている最中です

このけやきシリーズには、パネルの他にランプが2種類あります。そちらはグラス・フュージングで、シェードを作っています。

けやきのランプは、フュージングで樹形を表しています

けやきのランプは、フュージングで樹形を表しています

焼成直前

焼成直前

ステンドグラス・パネル「けやき」のデザインをしています

先達て、下妻市の千勝神社に欅のスケッチに行きましたが、このスケッチを基に、水墨画で原画を描きました。

欅の水墨画

欅の水墨画を描いています

水墨画といっても、緑の部分が多いので、水彩画に近いです。さらにこれを基に、ステンドグラスにするための型紙を作ります。

ステンドグラス「けやき」の型紙

ステンドグラス「けやき」の型紙

そして、木の部分は、グレーのガラスをカットしていきます。

グレーのガラスを並べて、型紙でけがきをしていきます

グレーのガラスを並べて、型紙で「けがき」をしていきます

さて、今日別の作品が仕上がりました。神棚に飾るミニ行燈です。雪洞の代わりです。

神棚に載せるミニ行燈

神棚に載せるミニ行燈

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下妻の千勝神社に、ケヤキをスケッチしに行ってきました

茨城県下妻市には、千勝神社の本宮があります。50年ほど前に、今の牛久沼のほとりに遷座しましたが、今でも下妻社には江戸時代の社殿が立派に残っています。

社伝によると、この神社は約1500年の歴史があるそうです。この境内にあるご神木でもある大欅(ケヤキ)を、スケッチしに行ってきました。

雄大に枝分かれして茂る大欅

雄大に枝分かれして茂る大欅

私は、この下妻千勝神社には25年も通っていますが、いつも11月23日の大祭の時だけなので、こんなに緑茂った姿を見るのは初めてです。

スケッチ中

スケッチ中

昔は、境内に隣接して参拝客を宿泊させる2階建ての会館が建っていました。もう20年以上前に取り壊され、今は更地ですが、以前は参拝者で賑わっていたんですね。

境内は木陰が多く、過ごしやすい

家族も一緒です。今日は35度近い猛暑でしたが、境内は木陰が多く、過ごしやすいです。

スケッチしていたら、「光化学スモッグが発生しています。屋内に退避してください。」と防災放送がありました。とっても懐かしい響きです。小学生の時、神奈川でしたが、よく聞きました。かまわず外で遊んでいましたが。

砂沼のほとりにある愛宕神社

砂沼のほとりにある愛宕神社

スケッチが終わって、写真も撮ってから、下妻駅の西側にある砂沼に移動しました。大きさ的には牛久沼の数分の一程度でしょうか。周囲にきれいな公園が多数整備されていて、この愛宕神社も沼畔で素敵な佇まいでした。

フュージング画「天岩戸」完成

天宇受賣命(アメノウズメノミコト)を描いたフュージング画「天岩戸」

天宇受賣命(アメノウズメノミコト)を描いたフュージング画「天岩戸」

記紀神話の天岩戸開きのくだりをフュージング画にしました。展覧会向けの自主制作作品です。モデルは天宇受賣命(アメノウズメノミコト)です。

※この作品の詳しい説明は、ステンドグラス工房達風サイトの作品集ページで。

ステンドグラス制作者の「ぎやまん草子(その9)」 「裸」

ステンドグラス「レディ・ゴディバ」

ステンドグラス「レディ・ゴディバ」

西洋の美術史上、裸婦像は最もポピュラーな画題のひとつですが、実はその取り扱いには不文律のような縛りがありました。それは、神や天使、悲劇のヒロインなど神話や聖書・歴史の登場人物だけが裸で描かれることを許されていたのです。ですから、1863年に初めて「同時代の女性の裸」を描いたマネは、最初轟々の非難を浴びました。

では、自分が裸婦像を鑑賞するとき、神話的背景があった方が良いのか、あるいは「ストレートな裸」の方が良いのか。私の場合、両方とも、です。神話的背景があった方が、心の座りは良いのと、特に悲劇のヒロインなどには感情移入出来るという点で、作品の深みが一段増して見えます。一方「まっさらの裸」はルノワールの云う「肉体そのもの」がストレートに飛び込んでくるので、動揺させられるわけです。動揺を感動の一種と位置づけるなら、これもまた捨てがたい世界です。

写真の作品は、レディ・ゴディバ(ゴダイバの方が発音的には近い)という11世紀のイギリスに実在した女性を題材にしたものです。ですから、これは神話的背景のある裸婦像ということになります。ゴディバはベルギーの高級チョコレートメーカーの社名になっているのでご存じの方も多いと思います。重税に苦しむ民衆を助けるために、一人犠牲になってこのような格好にさせられている悲劇のヒロインです。ちなみにこの原画は、ほとんど私の想像の産物です。