丸いステンドグラス「竹林」を取り付けてきました

直径90cmの、丸い和風ステンドグラス「竹林」を取り付けてきました。パネルを、自分で取り付けるのは、久しぶりです。

場所は、個人邸の和室、床の間の丸窓です。家屋自体はずい分前に建てられたものですが、施主さんは、以前からこの丸窓にステンドグラスを入れたかったそうです。そして、この丸窓の外側にマンションが建つのを機に、ご依頼くださいました。目隠しの意味もあるのかもしれません。

取り付け当日。まず、既存のガラス窓をよくクリーニングします。

既存の窓をガラスクリーナーできれいに拭きます

既存の窓をガラスクリーナーできれいに拭きます

ステンドグラスパネルをアルミサッシの内側に、はめ込むのですが、少し大きかったようです。丸窓の場合、サッシが真円でないことが多いので、干渉することがあります。そこで、ステンドグラス周囲の鉛部分をかんなで削って調整します。

ステンドグラス周囲の鉛部分をかんなで削って調整

ステンドグラス周囲の鉛部分をかんなで削って調整

ステンドが入ったら、押縁で固定します。今回は、曲面ですので、プラスチック(ABS樹脂)製の柔らかい押縁(モール)を使います。断面は幅15mm×厚6mmです。

押縁の裏側には、仮止め用の両面テープを貼っておきます

押縁の裏側には、仮止め用の両面テープを貼っておきます

プラスチック(ABS樹脂)製の柔らかい押し縁で固定

プラスチック(ABS樹脂)製の柔らかい押し縁で固定

この押縁をタッピンネジで固定して完成です。

下地のアルミに下穴を開け、タッピンネジで押縁を固定

下地のアルミに下穴を開け、タッピンネジで押縁を固定します

床の間が、華やかになりました。ステンドは、アンティークガラスを使っているので、窓の向こう側の景色が程よくゆがみます。マンションの壁が気にならなくなりました。

床の間に和風ステンドグラス「竹林」の取り付け完了

床の間に、和風ステンドグラス「竹林」を取り付け完了

※この作品の詳しい説明は、ステンドグラス工房達風サイトの作品集ページで。

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3連ペンダントランプを取り付けてきました

先達て、千葉県のとある新築邸に、ペンダントランプを納品してきました。ダイニングテーブルの上に、3個並んで吊り下がりました。ほとんどクリアガラスで、ところどころ紫のガラス片が混ざったフュージングランプです。名付けて「ラベンダーのランプ」。

取り付けたのは昼間でしたから、記念撮影も明るいうちにしました。このペンダント以外はすべてダウンライトというダイニングですので、夜になると、引き立ってさぞ美しいと思います。

ラベンダーのペンダントランプ

ラベンダーのペンダントランプ

形は、1個15cm角×35cmの四角柱です。45cm間隔で3個さがっています。

3個一組のペンダントランプ

3個一組のペンダントランプ

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ステンドグラス教室ではスランピングと絵付けの最中

教室では、高等テクにチャレンジしている生徒さんもいます。

まず、スランピングで立体カットです。円筒形の行燈を制作中ですが、カットしてからスランピング(窯で曲げる)のではなく、あらかじめ曲げておいてから、ピースに切り分けています。コレの方が、形状が正確になります。

スランピングしたガラスに、型紙を当てて、ケガキをしています

スランピングしたガラスに、型紙を当てて、ケガキをしています

立体カットは、ガラスを転がすように、スコアを入れます

立体カットは、ガラスを転がすように、スコアを入れます

切り終わったピースはポテトチップスのようです

切り終わったピースはポテトチップスのようです

もう一方。絵付けステンドグラスは、「アジサシ」の制作中です。今描いているピースはすでに2回焼成済みです。グリザイユで、細かい鳥の羽毛を描いています。

鳥の羽毛をグリザイユで描いています

鳥の羽毛をグリザイユで描いています

3回目の焼成前

3回目の焼成前

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ステンドグラス制作者の「ぎやまん草子(その8)」 「誰が見る」

中学に上がる時、憧れの土地付き一戸建てに引っ越しました。新築とは楽しいもので、間取りやキッチンはもちろんのこと、照明、壁紙、ドアノブなど細部に至るまで、家族会議で一つひとつ決めていったことを憶えています。

ところで私たちは、新築の時どの部屋に一番力を入れるでしょうか。キッチンやリビングと並んで、玄関のデザインに凝るという人が多いのではないでしょうか。他人の目にさらされる所についつい力を入れてしまう。お披露目の時「自分達のこだわりの家です」と言っていながら、お客様に評価されることをやたら期待したりして。

ステンドグラスの注文を受けるとき「外から見て綺麗なものをお願いします」と言われることがよくあります。住人より、家の前を通る人達に楽しんでもらいたいわけですね。ヨーロッパ人だと多分そうは言いません。家は第一に住人が楽しみくつろぐ場なので、室内側から見て綺麗なステンドグラスを注文するでしょう。そしてステンドグラスは本来、暗い側(つまり室内側)から見て美しいものなのです。

かつて武士は、母屋は朽ちても門構えは立派にしていたそうです。そう言えば、私のかつての拙宅も、照明は玄関の物が一番高価でした。他人の目を気にする国民性を理解して、内側から見ても、外側から見ても美しいステンドグラスを考えていきます。

ちなみに下の写真の作品は、オレンジ色の部分にオパールセントガラスという半透明ガラスを用いています。このガラスは夜外から見ると、室内の電球の光を受けて美しく浮き出します。

作品「夢と希望」を室内側から見たところ

作品「夢と希望」を室内側から見たところです。
サイズ:49×125cm×3枚

室内の照明できれいに照らし出されています

夜、屋外から見たところです。
室内の照明できれいに照らし出されています