フュージング画「夜桜」は、薄板を融着させています

ピンクの花は、数回に分けて、パウダーガラスを盛っては、焼成し、を繰り返します。こうして、花が幾重にも重なり、面白みが出ます。ですが、焼成は1日に1回しか出来ず、板は全部で3枚あるので、時間ばかり経っていきます。

白く見えるのは、焼成すると鮮やかなピンクを呈するパウダーガラス

白く見えるのは、焼成すると鮮やかなピンクを呈するパウダーガラスで、2回目の「花」を咲かせているところです。

同時に、幹の部分の加工もしています。この部分は、浮き彫りのように盛り上げたいので、裏から薄板ガラスを貼り付けて、同時に焼成します。裏の薄板ガラスは、淡いグレーで、焼成後はベースガラスに融着して一体になります。

黒い部分は、裏に糊で仮止めした薄板ガラス

黒い部分は、裏に糊で仮止めした薄板ガラス

この後、焼成するとベースガラスに融着します

この後、焼成するとベースガラスに融着します。


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フュージング画「夜桜」に花を咲かせています

大判のフュージング画の制作が続いていますが、ようやく、本体にピンクの桜の花を咲かせる段階にきました。

実は今まで、花の表現方法をどうしようかと、試作を続けながら検討してきました。その結果、今回はガラスパウダーを花の形に載せて焼成することにしました。ちなみに却下されたのは、薄板を載せる方法です。

花の形のマスクを使い、ガラスパウダーをベースガラス上に振り掛けます

花の形のマスクを使い、ガラスパウダーをベースガラス上に振り掛けます

このガラスパウダー、見た目は白ですが、焼成すると鮮やかなピンクを呈します。ストライカーと言われる特別なガラスです。

焼成後、ピンクの花が浮き上がりました

焼成後、ピンクの花が浮き上がりました

再度この上からパウダーを載せて焼成し、花を重ねていきます。
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ステンドグラス制作者の「ぎやまん草子(その5)」 「海の記憶」

子供の頃の海の記憶。水中眼鏡越しに見上げた波の鏡、不定形に分割、結合する太陽。
四十年前、小学生の頃、夏になると一家で志摩に海水浴に行くのが常でした。家の前には、歩いて行ける距離に湘南の海が広がってはいましたが、高度経済成長の真っ只中、タールでものすごく汚れていました。そんな訳で澄んだ水を求め、三重県鳥羽から船で数十分、答志島や坂手島に渡り、一週間ほどきれいな海を満喫しました。当時のサラリーマン家庭にしては、かなり贅沢な夏の過ごし方だったのではないでしょうか。

答志島には、中学校を卒業した若い衆が、義兄弟となって寄宿生活する「寝屋子」というユニークな風習が残っています。少し沖には、三島由紀夫の小説「潮騒」の舞台になった神島という、これまた民俗学的にも興味の尽きない島があります。そんな離島の民宿の女将さんは、海女でもあり、アワビ漁やウニ漁を僕らに見せてくれました。

夜は月の下、女将さんよりちょっとかげの薄い民宿のおじさんが、穴子釣りに誘ってくれました。一晩で30匹も釣れ、翌日手分けして捌き、干物にしました。でも、一番楽しかったのが、無人島での貝獲り。朝漁船で無人島に送ってもらい、夕方迎えに来てもらうまで、シッタカという小さな巻貝を取り続けました。澄んだ海に潜り、1回に2、3個拾っては浮き上がる。海底から見た夏の太陽が、今もチカチカと網膜を刺激するようです。写真の「命」という作品は、僕の海と太陽、そして月です。

島の民宿は、一体やる気が有ったのか無かったのか、私達一家以外の客を見たことがありませんでした。きっと女将さんが獲るアワビだけで食べていけたのでしょう。

ステンドグラス「命」 2000制作

ステンドグラス「命」 2000制作
素潜りの海面下から見上げた夏の太陽です

ブルザイ(BULLSEYE)社のストライカーガラス、発色せず

マニアックなネタですが、同じ悩みを抱えているフュージング作家さんが何人かは居るのではないかと思い、語らせて頂きます。

最近、ブルザイ(BULLSEYE)社のフューザブルガラス、その中でピンク系ストライカーが、まともに発色しないと思いませんか。問題なのはBUF1831とBUF1824です。

私は、特にBUF1831を5年ほど前から愛用しています。いつも1/2サイズで購入し、そのまま予備焼成して発色させてから加工(カット)するのですが、以前は740℃MAX程度の予備焼成で美しくピンクを呈していたのですが、今は、815℃でもダメです(昇温3時間、徐冷5時間)。まず、色が出ない。薄すぎるのです。それで、少しずつ温度を上げて、何度もトライすると、今度はピンクではなくラベンダー色を呈し、これが濃くなっていくのです。

・前回のBUF1831購入が、2011年12月でした。これは、発色OKでした。
・今回のBUF1831は、2013年4月です。これは、ダメです。結構高価なガラスでしたが、使えませんでした。

試しにもう一度4月中に、BUF1831を買いました。が、これもダメ。商社に相談し、「150℃/時で昇温、MAX815℃云々」という情報をもらいプロコンの設定をそのとおりにしましたが、ダメでした。ほんとに申しわけ程度に青紫(ラベンダー)色になっただけでした。だめもとで、冷めてから再度焼成しましたが、青紫が若干濃くなった程度でした。さすがにこれは商社に泣きついて、返品させてもらいました。

そして、今日。BUF1831(ルビーピンクTINT)に代えて、BUF1824(ルビーレッドTINT)を購入。そして焼成したら。結論から言って、(ピンク+ラベンダー)÷2といったところです。あまり良い発色では有りません。

確実に発色する焼成条件を教えて欲しいです。というより、このストライカーというガラスを止めて欲しいです。ガラスメーカーさんでちゃんと色を付けてから販売して欲しいと、切に願います。私は、ガラスパウダーも使いますが、ストライカーのパウダーなんて、どの程度載せればどの程度色が付くのか全く分からず、勘頼みの制作となり、使い難いこと甚だしです。

昔は、ストライカーなど無くて、すべて発色済みで販売されていたのですが...

2013年4月購入のBUF1831。790℃MAXで焼成した後の様子。

2013年4月購入のBUF1831。790℃MAXで焼成した後の様子。本来なら淡いピンクになるところ、全く発色せず。この後、もう一度815℃MAXで、再度焼成するもピンクにならず。

BUF1831の予備焼成後の様子

BUF1831の予備焼成後の様子。右2枚は2011年購入。左は上の写真の2013年4月購入(790℃MAXと815℃MAXの焼成計2回)。本来は右のように淡いピンクを呈するガラス。だが、左はラベンダーにしかならない。

BUF1824の焼成後。商品名の「ルビーレッド」とは程遠い、深いバイオレットになっています。

手前と左上が、BUF1824の焼成後。商品名の「ルビーレッド」とは程遠い、深いバイオレットになっています。ちなみに右上は、比較のために置いたBUF1831(1年前に、正常に発色したルビーピンクのガラス)

注1)ストライカー:色が付いていないほぼ透明のガラスで、概ね780℃以上に加熱して初めて発色するタイプのガラス。米国のブルザイというガラスメーカーで製造している。

注2)焼成条件:2番目と3番目の写真の条件は、常温~677℃(3時間30分)、677℃(30分キープ)、677℃~810℃(45分)、810℃(8分キープ)、810℃~480℃(自然冷却50分)、480℃(30分キープ)。これはBULLSEYE社の推奨値に準じています。

フュージング画「夜桜」は、グリザイユ絵付けをしています

フュージング画は、平板フュージングにグリザイユと言う黒い金属化合物でできた顔料を使って絵を描きこむことが特徴のひとつです。現在、「夜桜」の桜の幹や枝を描きこんでいます。幅の広い書道用の筆で描くと、勢いが出て趣が備わります。

書道用の大筆で、幹を描いています

書道用の大筆で、幹を描いています

小枝はラファエルという細筆で描きます

小枝はラファエルという細筆で描きます

3枚で一組の絵なので、連続性を考慮しながら描きます。そして、625℃で焼成して、グリザイユを固定させます。

電気窯での焼成

電気窯での焼成

ところで昨日は天気が良かったので、取材で近くの河川敷に行って来ました。牛久沼から流れ出る谷田川と小貝川との合流点近くにある、牛久沼排水機場です。ここの桜は満開を過ぎて大分散り始めていましたが綺麗でした。近くの常磐線に電車が通るところをスケッチ+写真撮影してきました。この風景を元に、フュージング画を制作する予定です。

牛久沼排水機場と常磐線

牛久沼排水機場と常磐線

茨城現展の作品据付に行ってきました

茨城県つくば美術館で毎年開かれている茨城現展(主催:現在美術家協会 茨城支部)に一般出品者として、フュージング画の作品2点を出展させて頂くことになりました。今日は、その搬入と据付です。会場は、TXつくば駅近くの、つくば美術館です。

茨城現展の展示風景1

茨城現展の展示風景1

つくば美術館は天井がとても高く、大きな台車でワイヤーを設置します。

学生バイト

学生バイトも活躍

フュージング画2点

私の出展作品は、フュージング画2点

展示作品の9割は油絵ですので、私のようなガラス工芸品は、ちょっと異質です。でも、少しは話題を提供するでしょう。

会期は25年4月7日までです。

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