水墨画でステンドグラスの原画「桜」を描いています

ここのところ、ずっと水墨画の道具が出っ放しで、墨で絵を描いています。ステンドグラスの原画を描いています。

水墨画(特に没骨法)は、日本の伝統的な画法の中では、少し特異です。なぜかと言うと、基本的には輪郭を描かないからです。いきなり面で描いて、それで終わりです。細筆で、細い枝も描きますが、決して輪郭を描いているわけでは有りません。それに対し、一般的な日本画は、輪郭を描きます。版画もそうです。

輪郭を描かないということは、直感的であり、慣れてくるとこれ以上楽で速い画法は有りません。対照的に、われわれが鉛筆でスケッチをする場合、頭の中ではまず「面」を思い浮かべます。次にその面の周囲の輪郭を抽出し、はじめて腕が動きます。しかし、鉛筆を走らせている間に、当初頭に在った「面」がぼやけてきて、形を狂わせ始めます。それを必死に堪えて、鉛筆画は描かれます。なんて苦労の多い画法でしょう。

水墨画で面倒なのは、道具の手入れです。これが端折れれば、ステンドグラスやフュージング画の原画は、これ一本で描き続けたいです。

今、「桜」のステンドグラスの原画を描いています。少しあっさり目、そして花を花弁の集合体で捕らえる程度の視点で描いています。

花と葉が共存する、山桜を描いています

実際にガラスを切る段階では、1枚1枚の花弁ではきりません。とても重たい印象の画面になってしまうからです。輪郭の金属線の無いフュージング画の場合は、それができますが。

枝垂桜のバージョン


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ステンドグラス制作者の「ぎやまん草子(その2)」 「ステイン」

ステンドグラスと聞いて真っ先に思い浮かべるもののひとつに、ヨーロッパの教会の窓があると思います。近付いて見てみると、色ガラスの上にキリストや聖人達の絵が、墨のようなもので緻密に描かれています。

ステンドグラスはその昔、文字を読めない人のための、絵説き聖書の役目もしていました。「ステンド」の意味は、「ステイン=色付けする、汚す」から来ており、グリザイユという専用の墨でガラスに絵を描き、焼き付けることを意味します。かつて短い期間でしたが、フランス中部の工房でステンドの勉強をしたことがあります。その時は、ほとんどの時間を、絵付けのための筆さばきの習得にあてられました。ステンドで大切な事は、ちまちま描かずに、伸びやかな線で一気に描く事です。そうすると、線に生命が宿り、作品が生き生きとしてきます。東洋の墨の文化にも共通しているところがあり、面白いです。

写真は、フランス滞在中の作品で、古い教会の模写です。ところで、ステンドグラスに使うラファエルという高価な筆は、わが国でも日本画家を中心にファンが多いそうです。ステンド文化、侮れません。


(※「ぎやまん草子」は、千勝神社の社報に連載させて頂いている文の一部修正版です)

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スランピング・フロアランプ制作中

ステンドグラス・フロアランプの第2弾として「ツワブキ」のランプを制作しています。前回同様、スランピング技法を使って、すっきりライトなデザインです。おまけに、グリーンほぼ一色のモノトーンです。

この制作方法の特徴は、スランピングとデザインを同時平行に行う「現物合わせ方式」です。ツワブキの葉のガラスを適当に切って、スランピングします。この曲げ終わったピースを、モールド表面の紙に写し取りながら、次のピースをデザインします。

スランピングしたピースをモールド上の紙に写し取る

モールド表面の紙への写し取り作業

この方法だと、ある程度即興性の面白みを味わえます。ただし、上部の蜘蛛の巣状の部分は、適当にやると誤差が累積して形にならないので、予めしっかり設計しておきます。

上部・蜘蛛の巣状の部分

上部・蜘蛛の巣状の部分

ガラスが切り終わり、テープを巻いて、いざ半田です。どうせ省力制作なので、ピースを糊で仮止めすることもなく、上からどんどん半田で止めていきます。

ランプシェードの半田作業

糊で仮止めせず、上部から点止め

完成した2種類のフロアランプ

完成した2種類のフロアランプ「葡萄」と「ツワブキ」

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ステンドグラス・フロアランプ「葡萄」が完成しました。

スランピング(熱で変形させる技法)で曲げた、大きな葡萄の葉以外に、ランプシェード上部を覆う蜘蛛の巣状のピースも切り出しました。すべてのピースに銅テープを巻き、いざ組み立てです。

モールドに型紙を巻き、その上からピースを半田で仮止めしていきます。縦横の半田線をそろえないとみっともないので、位置決めをしっかりしながら、点止めします。下のほうに来ると、葡萄の葉の大きなピースです。このピースは、曲面にぴったり沿うので、隙間が出来なくて、半田は簡単です。

点止めが終わったら、仕上げ半田です。半田をする面を常に地面と水平に保ち、慎重に作業します。ここで大きなピースを割ってしまってはモトモコも無いので、熱い半田を落とさないようにします。外周にはUケイムという、断面がU字型の鉛線を被せて、飾り仕上げとします。この後、裏面も仕上げ半田します。

最後に、洗浄、黒染めを行い、シェードは完成です。


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絵付けステンドグラスの修復が完了しました

東日本大震災で破損した絵付けステンドグラス パネルの修復2日目です。

ばらばらに破損したピースを、元通り復元するか、それとも新しいデザインにしてまったく違うピースを入れるか思案しましたが、完全なる修復は不可能だと考え、後者にしました。

割れて、使えなくなったスペースには、ゴールドピンクのピースを入れることにしました。そんなに大きな面積では有りませんが、このガラス、かなり高価なので、ちょっとした出費です。

私にとって久しぶりの鉛線組みです。まずまな板(作業台)を用意します。この板には、下と左の2辺に予め直角の垂木を固定しておきます。ステンドは、この垂木に押し付けながら、左から右へと順次組んでいきます。

鉛線をケイムナイフで切り、ガラスピースに被せて釘で仮固定します。これを繰り返して、組み立てます。

この時、鉛線の縁を潰さないように、圧力をかけるときは鉛線の溝の奥に不要になったガラ片を差し込んで、これをハンマーで叩いて押し込みます。こうして、全面積を組むのに2時間掛かりました。この後、ジョイント部分を半田で繋ぎます。

ここで注意すべき点は、半田コテの温度です。鉛線は融点が低いので、半田コテの最高温度で作業すると、鉛線が融けて破損してしまいます。コテのスイッチをまめにON/OFFして、半田は融けるが、鉛線は融けないという温度で作業します。

ジョイントが終わったら、ケイムとガラスの隙間に黒いパテを詰めておしまいです。

この作業は、この作品のオリジナル作者である妻がやりました。パテのはみ出した部分を竹串で切り出して、完成です。ピンクのアクセントが入った、一風変わった作品に生まれ変わりました。


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絵付けステンドグラスの修復をしています

東日本大震災のとき破損して、そのままだった妻のステンドグラスを、遅ればせながら修復し始めました。
妻がその昔、フランスの工房で修業している間に制作した、鉛線組みの絵付けパネルです。ピースは大きめで、グリザイユやエナメルで凝った絵付けがされている「百合」の作品です。木枠が付いていたので、先ずそこから外し、次に鉛線を全て外します。
半田組みのステンドグラスよりばらすのは楽です。ばらした後活かすのは、ガラスピースのみで、それも破損の程度が少ないものだけです。ガラスピースの周囲にこびりついているパテも除去します。
一応、鉛線がとれてガラスのみになりました。これから、元通りにするのか、少し小さめで別の作品にまとめるのか思案します。

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明けましておめでとうございます

今年もグラス工房達風をよろしくお願い致します。

今日は元日、千勝神社の世話人として一日神社に詰めて、ご祈祷の受付ご奉仕をしてきました。晴天で、風も無く、穏やかなお正月でした。神社は大変賑わいました。

下の写真は、まったく関係の無い、しかも去年の写真です。