ステンドグラス・フロアランプ「葡萄」制作を開始しました

板ガラスを窯で軟化させて曲面を作る「スランピング」という技法を用いて、ランプシェードを作っています。2個連続で作りますが、その1作目が「葡萄」です。モールドは円筒形に近い「虚無僧」と言われるものを使用します。

葡萄の葉は、大きめに切り、グリザイユで葉脈を大胆に描きこみます。

1枚の葉の大きさは15cmほどあります。一方、シェードのモールドの直径は25cmほどです。このままでは、モールド表面の曲面に貼り付けるのは不可能ですので、葉を曲面に加工します。電気窯に、変形用のセラミックモールドを入れ、その上に葉のガラスピースを載せます。

これで蓋をして約1時間。窯の中は650℃ほどになります。これで、ガラスは程よく軟化して、セラミック・モールドの形に添います。電源を切って約4時間。徐冷後に蓋を開けた様子が、下です。

この曲面に変形した葉を、シェードを組み立てるときの「虚無僧」に載せて見ます(下の写真)。どうです。ぴったりでしょ!このようにガラスを曲げる技法をスランピングといいます。スランピングを用いない場合は、ガラスピースをやたら細かくしないと、曲面をきれいに覆えませんが、スランピングを用いると、ピース数を抑えられて、デザインがすっきりします。

葡萄の葉を全部で6枚スランピングして曲面にしたら、次の段階に入ります。

 さて、平成24年も、今日が最後の日です。1年間、拙いブログをご覧下さいましてありがとうございました。来年も、このブログを通してステンドグラス制作者としての私の日常を、ご報告してまいりたいと思います。どうぞ皆様、良いお年をお迎えください。
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ステンドグラス「藤」が完成しました

11月下旬から取り組み始めたオーダーメイドのステンドグラス「藤」が完成しました。

半田終了後、ブルーシートで作った臨時のプールの中で、洗剤とお湯でステンドグラスを洗浄しました。真鍮ブラシを使い、半田線の隅々まで磨き上げます。また、ガラスに付着しているペーストフラックスも除去しておきます。これが残っていると、後々錆の原因になります。中性洗剤で洗浄しても残ってしまう汚れは、乾燥後、ベンジンを染み込ませたティッシュでふき取ります。

この後、もう一度良く観察して、半田線にピンホールやビ-ズの付着が無いか確かめます。ピンホールは表面に空いた小さな穴です。実はこの下に大きな空洞が隠れていることが多く、ここに水や薬品が溜まると後々錆の原因になり厄介です。ですので、半田コテを当てて塞いでおきます。また、ビーズは、半田の小さな玉です。これも見苦しいので、半田コテかカッターナイフで除去します。

その次に、パティーナと言う希セレン酸で黒染めします。そしてまた洗浄。乾いたらワックスを塗布します。これも防錆のためです。最後に、周囲についている真鍮製の枠材とガラスとの隙間にパテを埋め込んで完成です。

約1ヶ月のお仕事でした。箱詰めして、先日施主様に向けて、発送しました。まずは、無事着くことを祈ります。

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ステンドグラス「藤」は、半田付け工程に入っています

全480ピースの大作「藤」のステンドグラスパネルは、第3コーナー、半田付け作業に入っています。

まず、組み立て用の実物大型紙に、銅テープを巻き終えたピースを、ジグソーパズルの要領で並べます。わくわくする瞬間です(といっても、時間は掛かりますが)。この時初めて、作品の全容が見えてきます。それまでは、完成した雰囲気は全て想像の世界ですので。

 ピース同士が干渉することは有りません。すべてのピースが型紙より0.数ミリ小さく作ってあるからです。ピース同士の間隔を調整して、いざ半田です。まず、液体フラックスを要所要所に塗って、点止めします。これは、仮の半田で、全体をずれなくする役目が有ります。

その後、本半田です。ここでは、ペーストフラックスという薬を併用します。このフラックスで、銅テープ表面の見えない汚れを除去しながら、半田を盛って行きます。半田はガラスには付かず、銅テープにだけ付きます。電子部品のプリント基板の半田と、原理は同じです。下の写真で、左下はまだ点止め、右上は本半田済みです。

 半田は、こんもり高めに盛って、強度を出します。それと同時に、表面に皺が寄らないようにするために、液状化させ表面張力を発揮させます。そうすると、仕上がった半田面に美しいハイライトが輝きます。表面が終わったら、裏面も同様に半田付けします。

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ステンドグラス「藤」はテープ巻き中です

現在の「藤」の進行状況は、全480ピースのカットが終わり、ルーターでエッジを研磨しながら、銅テープ巻きを平行して行っています。
実は、ステンドの美しさを決めるのは、カットの出来栄えではなくて、テープ巻きの丁寧さです。ちょっとした段差や切れ込みがないように、手を抜かないように、検査をしながら巻いています。
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ステンドグラス制作者の「ぎやまん草子(その1)」 「北部」

 私(福田勝司)が、ステンドグラス制作の合間に、ガラスに関係あるような無いような随想を「ぎやまん草子」と題して、書き綴ろうと思います。まずは、その第1回目です。

 小学校時代の恩師が出版した本(私が卒業して30年ぐらい経ったころ出版し、1冊送ってくれたもの)を読んでいたら、ふと小学生時代にトリップしました。

場所は、神奈川県藤沢市辻堂のかなり大規模な公団団地です。小学生になりたての私には、この公団の区域が遊びのエリアであり、全世界でした。団地の北側の終(しま)いには県道が通っていて、その向こう側は「ホクブ(北部)」と呼ばれ、幼い団地っ子にとっては、お化けが出そうな、ミステリーゾーンでした。

しかし、たった一人でお化けの住むホクブに探検に行く日がやってきました。その日私はランドセルを家に置くと、県道にかかる歩道橋を渡り、木々のうっそうとしたホクブに潜入しました(今思うと、雑木林の広がる閑静な住宅街で、オノヨーコの実家も有ったと記憶しています)。

歩道橋の袂から伸びる一本の道を、お化けが出てきたらいつでも取って返せる体勢で、恐る恐る進みました。そして50メートルも進んだら満足して、あとは後ろも見ずに一目散に走って帰りました。

写真の「高台の料理店」は、この思い出のホクブにひっそりと建つ、猫の経営する、ちょっと恐ろしげな料理店です。

ところで、現在の辻堂西海岸の同エリアは、マンションだらけの洒落た湘南リゾートに変貌しています。「高台の料理店」
この作品の詳しい説明は→こちら
(※「ぎやまん草子」は、千勝神社の社報に連載させて頂いている文の一部修正版です)

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和風ステンドグラス「藤」のガラスカットを開始しました

注文制作の作業が進んでいます。

グレーとクリア、紫のアンティークガラスが問屋から届きました。ドイツはランバーツ社の手拭き板ガラスです。

実寸大型紙はこちら。寸法は横40cm×縦1mです。

今回のデザインは「藤」なので、葉も花もピースが細かいです。小さな型紙にあわせて、1ピース1ピース板ガラスから切り出しています。

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