フランスからお客様が来てくれました

 
今日、フランスからお客様がありました。
Chloë Quibanさん(女性:アーチスト、ステンド作家:写真右)
Lydia Levequeさん(女性:フランス語教師:写真右から2人目)
Michel Paolilloさん(男性:調理師学校講師:写真左から2人目)
のお三方です。

 そもそもは、クロエさんが、私のサイト(フランス語バージョンhttp://www.tappu.com/fr/index.html)を見てくれたことに始まります。彼女は日本が好きで、この来日に当たって、来房したい旨を事前にメールで知らせてきてくれました。それが、今月初めのことです。 
 三人は、妻が留学していたこともあるナント在住です。特にクロエがステンドグラスの国家資格を取り、作家デビューしたばかりで、色々現場を見て廻っているようです。下の写真は、制作中のフュージング画を熱心に観察しているところです。

 電気窯やルーターなどの工具に興味があり、多くの質問を受けました。
 三人は武道もしていて、日本の浮世絵や書道にも関心があるということなので、即席のお習字教室を開きました。皆、カタカナで自分の名前を書きました。この後、庭のバラを切ってきて、水墨画の講習もしました。

 たった3時間の滞在でしたが、すっかり打ち解けて、フランスでの再会を硬く約束しました。こうやって友達ができると、将来の海外旅行もすごく楽しみです。ミシェルは料理家なので、次回は日仏料理対決をしたいです。
 彼らが持ってきてくれたお土産です。美しいドライフルーツとキャンドル。
私は水墨画の拙作を差し上げました。

私もフランスに行くと、現地作家の工房見学をさせてもらうのですが、とても刺激になります。
今回も、通訳として妻が大活躍でした。
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フュージング画「枝垂桜」の制作 ステップ4:樹木のガラス切り

JUGEMテーマ:ステンドグラスとフュージング
 フュージング画の大作「枝垂れ桜」の制作が続いています。
 樹木の部分の絵付け、そして焼成が終わりました。今は、この樹木の部分に、グレーの薄板ガラスを貼る作業をしています。
 まず、樹木の絵の上にトレーシングペーパーを置き、ライトボックスを使って、樹木の輪郭を写し取ります。

 主要な幹と枝の輪郭を、写し終えました。細い枝は不要です。
 この輪郭線を型紙にして、グレーの厚さ1.6mmの薄いガラス板を切ります。要領としては、ライトボックスの上にトレーシングペーパーの型紙を置き、その上にグレーのガラス板を置きます。透けて見える輪郭線に沿って、ガラスカッターを走らせ、ガラスを切ります。

 切り終わったガラスピースを型紙の上に並べ、はみ出した部分をルーターで研磨して、ぴったりの形に追い込みます。太い幹の部分は、ガラスピースは大きく1枚で切るのではなく、細長い多数のピースに切り分けます。焼成時に、中に気泡が閉じ込められないようにするためです。

 このガラスピースを、今度は作品の裏側に並べます。そして、焼成するまで糊で仮止めしておきます。焼成すると、樹木の部分だけグレーのガラスがフュージングされ、凸になります。また、裏側からというのがミソです。表はグリザイユの絵付け面ですので、その裏側に絵を邪魔しないようにガラスを貼り増すのです。

 
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フュージング画「枝垂桜」の制作 ステップ3:桜の描きこみ

 お堂の描きこみの工程は、グリザイユで描いては窯で焼成→さらに描いては焼成、を3回繰り返します。なぜ1回で描けないのかというと、焼成しないと顔料がすぐに剥がれてしまうので、重ね描きが出来ないからです。
 1回目:屋根瓦と壁の輪郭
 2回目:屋根瓦の2回目と、扉
 3回目:鬼瓦などの詳細部分と、柱、欄干
 下の写真は、3回目の描きこみで、柱に陰をつけています。この後焼成して、お堂の描きこみは終わりです。

 次に、6枚全ての硝子板を並べて、ダイナミックに桜の樹形を描きます。この桜のモデルは市内にある般若院の樹齢400年の枝垂れ桜なのですが、そのスケッチや撮ってきた写真を頼りに和筆で描きこみます。
 水墨画のように、カスレや滲みなどの筆致を効果的に出しながら描きます。

 描き終わった状態です。お堂の屋根の部分にも、枝垂れてきた枝を描き加えました。

 この6枚を順々に窯で焼成します。焼成は1日に2回しか出来ないので、3日かかります。

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フュージング画「枝垂桜」の制作 ステップ2:お堂の描きこみ


 お堂の屋根の部分に乗せた緑青色のガラスパウダーを、焼成で定着させた後、お堂の屋根を描きこみました。
 まず、グリザイユという金属とガラスの粉で出来た顔料を、水とアラビアガムで練ります。

 和筆を使って、屋根瓦の流れ模様を、グリザイユで描きこみます。ガラスはライトボックスの上に置いてあるので、型紙の下絵が透けて見えます。刷毛ムラが出てなかなか上手くいきません。何度も削り取って、描き直しました。

 2枚めのガラスにも同様に屋根を描きこみます。そして、柱や欄干などは、細筆で輪郭を描きます。

 この後、1回目の焼成です。焼成するとグリザイユは定着するので、その上から重ね塗りが出来ます。

 話は変わりますが、フランス気分を味わうために、先日、東京は紀尾井町(東京メトロの永田町近く)にある AUX BACCHANALES(http://www.auxbacchanales.com/home/) というカフェに行ってきました。

 晴れて、12月にしては暖かく、テラス席で、ホットワインとシンプルなサンドウィッチ・ジャンボンを食しました。並木も綺麗で、ひととき本当にパリ気分でした。

 紀尾井町から麹町、半蔵門、赤坂見附あたりを散歩しました。
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フュージング画「枝垂桜」の制作 ステップ1:制作準備


 横2.3m×縦1mの巨大フュージング画の注文制作が始まっています。題名は「枝垂桜」です。
1枚のガラスサイズは窯のサイズで制限され、760mm×500mmです。ですので、6枚で1画面を構成します。
 まず、桜の花びらに使う薄いピンクのガラスを予備加工します。厚さ3mmの板ガラスを熱と治具を使って1.5mmに引き伸ばします。その後窯に入れて、発色させます。ピンクのガラスはストライカーといって、780℃ほどに一度加熱しないとピンクを発色しません。

加熱前のストライカーは、ほぼ透明です。

780℃を経ることで、淡いピンクになります。

桜の木の横に配するお堂の原寸大型紙です。これに補強の厚紙を貼って、切り抜きます。

切り抜いた型紙の枠を、板ガラスの上にマスキングとして敷きます。その中にガラスの粉を、ふるいを使って落とします。屋根の部分には、最初白、次に緑青色のガラスを落とします。
この後焼成します。
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