ヨーロッパ・ステンド紀行 2 (4月11日)

 翌日、朝から国電でパリに戻り、メトロで急ぎモンパルナス駅に移動。ここからTGV(フランス版新幹線)でブルターニュの玄関口Rennes(レンヌ)へ行きました。

レンヌは、戦災で古い建物が多く焼け、比較的近代的な街
 ここでは、日本にいるときサイトで知ったステンドグラス作家、ムッシュ・ヘルムボルドに会う予定でした。もちろん初対面ですし、日本にいるときは、電話やFAXはしましたが、タイミングが悪く本人とは一度も言葉を交わすことが出来ませんでした。最悪の場合、電車やタクシーを乗り継いでレンヌ郊外にあるアトリエに行くつもりでしたが、前日ようやく本人と連絡が取れ、なんと駅まで迎えに来ていただけることになりました。
 ヘルムボルド氏。とにかく親切でした。見ず知らずの日本人を車で片道30分ほどもあるのに送り迎えしてくれて、合計3時間ほど付き合ってくれました。アトリエは広く、スタッフは20名。超多忙だそうです。驚いたことに静岡出身の日本人、鈴木さん(推定20歳後半)もステンド修復師として働いていました。彼はかれこれ10年ほどフランス国内のアトリエを渡り歩いているそうです。

どことなく少年ぽいしぐさが楽しいヘルムボルド氏と
 ヘルムボルド氏に会いたかったのは、サイトで紹介されていた作品のバラエティーが豊富だったためです。実際、アトリエに行ってみて、古典的な作品あり、コパーテープ作品あり、フュージングありで、かなり勉強になりました。特にフュージングのための設備はすごいものがあり、畳1枚分くらいの広さがある電機窯(キルン)で、リビングダイニングの仕切り窓などの大型のプロジェクトを制作しているそうです。本人曰く、フュージングはあまり深入りしたくなく娘に全託したいそうですが、その割には技術の説明には熱があり、ご自身があみ出した数々のテクニックをそれこそタダで披露してくれました。

広いアトリエ。ここ以外に大小複数の作業部屋と小さなミュージアム有り

前衛的な彼のフュージング作品
 この日の晩は、ブルターニュ名物そば粉のクレープを食し、珍しく個別シャワーがついたユースホステルに泊まりました。しかし、ベッドがきしむ音が大きくて、難渋しました。

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